見出し画像

投資の高速レーンを走るには

はじめに

前回の投稿で高速レーンに移って資産を増やすにはFCF(フリーキャッシュフロー)を増やす必要があると書いた。収入と支出のバランスを見直したり、支払いや借入れの期日をコントロールして手元資金を確保しつつ、投資の元本を担保しよう。今の若い人とは時代が違うけれど、僕が新人の頃の月収は税抜きで20万くらいで、最初は投資の元本をコツコツ貯めていたのを憶えている。

ファストレーンの誘惑

資産のステージが変わって新しいレンジに入ったらいよいよ高速レーンに入って資産を増やすことになる。高速レーンでは資産は一般道よりも速く増えるけれど減る時も同じく速い。中央分離帯に近いレーンで事故に遭えば被害が大きくなるのと同じことだ。注意しなければならないことが2つある。

1.生活品質を維持しよう
序盤は給与による収入が投資の収益よりも大きい。新しいレーンに飛び込んで小金持ちになったと勘違いするのは辞めよう。あなたがようやく小金持ちになるのは月の資産収入が月給を越えてからだと考えよう。もちろん、おかずを一品足したり、徒歩をバスに変えたりするくらいは出来るかもしれない。新しいレーンの収入モデルが出来ていないのに支出だけを増やすのは辞めよう。

2.観察し、行動しよう
高速レーンに移ったからといってすぐにスピードを出す必要はない。新しいレーンでの生き残り戦略を深く深く考えよう。以前より資産が増えるスピードは上がる。ただ、クラッシュのダメージも大きいので失敗すればコツコツ増やした資産が泡のように溶けてしまう。ステージが変われば新しい投資を試したくなるだろう。しかし、実際のところレーンが変わってルールが変わったのに知恵も経験もない新人はカモだ。最低でも3ヶ月は静観してあなたが新しいゲームで生き残る術を見つけよう。

勝ちパターンを作る

投資の高速レーンではインデックス投資以外の選択肢も色々と見つかるだろう。ここで大切なことは1%でもその投資に勝つ可能性を高めることだ。不確実性の消し込みや安価な手数料など詰められるところは徹底的に追い込もう。もう、あなたが足をかけたのは初心者レーンではない。落ちる時はすぐに落ちる。では、どうすれば勝ちパターンを作れるのだろうか。

まず、あなたの知っている業界に投資せよ

今流行りの商品に手を出したくなるのも分かる。ただし、あなたが1%でも勝つ確率を高めたいのであれば、自身が所属している業界か最低でも取引先の業界に投資しよう。インサイダー取引を薦めているのではない。もし、あなたがアナリストより詳しいとすれば、間違いなくそれはあなたのいる業界であり、懇意にしている取引先の業界だ。あなたはその世界の風向きや僅かな変化を知っている。決算書や中期経営計画からではなくそのビジネスの体温を生身で見てきた人の感覚は自分が思うよりも相当に鋭い。

実際のところ、僕の個別株の80%は自分が属している業界への投資だ。あなたが"ふうつ"の人ならば良く知らない業界には投資してはいけない。どうしても投資したければその世界の僅かな変化や未来の見通しに敏感な人の意見を参考にしよう。今流行りの銘柄ではない、また違った意見が聞けるに違いない。

おわりに

投資の高速レーンではゆっくり走ったからと言って、後ろから追突されることもいきなり煽られることもない。資産のステージが変わって新しいレーンを走る時は、気持ちが舞い上がっていて何処か落ち着かない。新しいレーンには必ず新しいルールや特徴があるから、自分を素人と認識しよう。あなたがレーンを移動して小金持ちの仲間入りをしたと感じたその時が最も資産を失う可能性が高い。これは15年前に戻って僕が過去の自分に伝えたいことの一つだ。どうかこのNote が少しでも困っている人の役に立ちますように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?