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「心理マーケティングの基本」を読んで

最近読んでいる本の読書感想文を記す。

読んでいる本はこちら。

看護研究をすすめる上で、臨床におけるニーズをくみ取ることは大変重要である。

看護師として現場で働いているならばまだしも、私は今後アカデミアに身を置くこととなり、臨床から遠ざかってしまう。

そこでどうやったら臨床のニーズをくみ取ることができるか、そのヒントをマーケティングから得られるのではないかと考えている。

この本は全6章から構成されており、私はまだ途中までしか読んでいないのだが、今回は1章における感想文を記すこととする。

第1章は生活者を理解することの重要性が述べられている。

この章のなかで印象的であったことは、調査対象者へのアプローチ方法が看護学研究と同じであったことだ。

私はこういった研究には疎く、授業で聞いたり知り合いの研究者から話を聞くだけの知識ではあるのだが、フォーカス・グループインタビューだとか、エスノグラフィーだとかいう名前には聞きなじみがあった。

さらには、著者は定性調査と定量調査を比較し、目的に応じた調査の使い分けを具体的に述べている。

看護学研究においては同様な言葉に質的研究、量的研究というものがある。

質的研究は定性調査に、量的研究は定量調査に類似する。

私は定量調査(質的研究)を主に行っている。

その理由としては定性調査は結果に捉えどころが無く、結局のところ対象者の個別性で話が片付けられてしまうことが多いため、科学的でないように見えてしまうためだ。

定量調査であれば一定数のサンプルの傾向を示すことで、ゆるぎない結果が得られると考えられる。

しかし、定量調査をすすめていると、やはり人それぞれの個別性を無視できないことに気が付く。

定量調査から得られたデータであっても、看護の対象は人であり、同じ80代男性でも現役バリバリの人もいれば歩くのがやっとの人もいる。

実際に看護師が何かケアであったり指導であったりする時には個別性に合わせていくので、臨床に活かせるまでの成果となると、やはり定性調査も重要であることがわかる。

事象を明らかにするためには定量とか定性とかにこだわらず、フレキシブルに調査方法を検討していくべきである。

このことは著者である梅津も述べている。

近年看護研究分野においてもミックスメソッドという名称で、定量調査や定性調査の垣根を越えて研究を進めていくスタイルがトレンドである。

この本を読んで、その動向はあながち看護学研究だけが取り組んでいる訳では無いことがわかった。

今まで定量調査派の私であったが、第一章を読んで定性調査についても勉強したいと思えた。

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