日本型リーダーはなぜ失敗するのか
気が付いたら年が明けて2か月経ってしまったが、久しぶりに読書感想文を書いてみる。
この本は夫の文庫にあった本で、いつか読んでみようと思っていたものだ。
特にリーダー論を熱心に勉強しようとした訳では無かったのだが、著者のこの本への情熱をひしひしと感じ、心が掻き乱される思いで読み進めていた。
この本はリーダーとは何かという視点に立ち、第二次世界大戦のリーダーや参謀達の有り様を記述している。
当時のリーダーや参謀を著者が独自に取材したり、軍事資料から当時の出来事を説明し、そこから著者が独自にリーダーとは何かを伝えている。
戦争に関する記述が多く、惨たらしい事実があった事を知るたびに心が締め付けられた。
どうしてこの様な悲劇が起きたのかをリーダーや参謀のやりとりから学び、再びこのような事が起こらないようにしようとするところにこの本の意義はある。
日本型リーダーとは、一言で言えば参謀重視のリーダーである。
細かいことは参謀に任せて、リーダーは多くを語らず「そうか、ならばそれで行け」とだけ言う。
これが日本型リーダーの典型だと言う。
多くの軍人のあり様から著者が導き出した、リーダーの条件は6つ。
1.最大の仕事は決断にあり
2.明確な目標を示せ
3.焦点に位置せよ
4.情報は確実に捉えよ
5.規格化された理論にすがるな
6.部下には最大限の任務の遂行を求めよ
この中で最も私の印象に残ったのは「6.部下には最大限の任務の遂行を求めよ」である。
自分ができないことは他人には求めないようにと考えてきたので、この指摘にはㇵッとさせられた。
最大限の努力を他者に求めるとは自分にもかなりストレスとなることで、思った通りに相手が成果を出せないと「何でできないの」とイラついてしまう。
自分を守るため、他者に求めないようにしてきたのだが、これはリーダーとしてはよろしくないのだという。
相手に任務を全うするよう求めることと、任務が全うできなかったときの相手への態度は分けて考えなくてはならない。
そう感じさせられる言葉だった。
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