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今日の切手はどれにしましょうか

友だちにふらっとハガキを出すのが好きだ。

旅行先から送る絵ハガキのときもある。
が、だいたいは休みの日にふらりと入った喫茶店でしたためた手描きのハガキである。
身近に起こったおもしろいできごとや、新しく知ったおすすめの映画や本や音楽や、ちょっと心にしみた言葉や、そんななんでもないことをイラスト入りのハガキにして送る。

そんなお手紙関係の私の最近の趣味は、切手を選ぶことだ。

散歩で郵便局を通りかかると、吸い寄せられるように切手コーナーに入り、気に入ったのがあったら買うのだ。誰々の手紙に貼って出そう、とか、もうすぐこの切手にぴったりの季節が来るなあ、とか、考えるだけでも笑顔になってしまう。
 
今日見つけた切手は「秋のグリーティング」という、色とりどりの秋のモチーフが可愛く並ぶワンシート。

84円の方も捨てがたく、というかそっちの方にしか真っ赤なモミジが入ってなくて、悩みに悩んだがハガキ用を買ってきた。一度に買うのはひとつだけ。そう決めている。決めて…いる。いるったらいる。

とはいえ、本当に好みドストライクな絵柄を見つけたりすると、出す用と自分用とふたつ買ってしまう。
そして自分宛の手紙を書いてそれに貼ったりする。

全然ちがう話だけど、いいよ自分へ手紙を書くの。自分の悩みを少し客観的に見られるし、喜びも少し増す気がする。

まあそれは置いといて。

私は手紙を、「あなたのことを思い出しているよ、元気にしてたら嬉しいな」という思いを込めて書いている。旅先から送るものにしても、自分で描くものにしても。文章を書かないものでも(おしゃべりなのでそんなことほとんどないけれど)。

LINEやメールもある世の中でも、手紙やハガキはまたひとつ、そこに乗る時間の長さや重みがちがうと思っている。書こうと思いつき、形にして、住所と相手の名前を書き、届く日を思いながらポストに投函する。物理的な距離を、時間をかけて繋ぐのが手紙の良さだ。

そして、その手紙やハガキを送る相手、送った季節、はたまた手紙の内容にぴったりと合う切手を選ぶ。私も楽しいし、きっと相手も楽しんでくれると思う。それを思うとまた私も楽しい。

綺麗でないものや理不尽なもの、いろんなものがないまぜになって渦巻いている昨今だけれど、私は私の大切な人に、「あなたのことを愛していますよ」と伝える一日一日にしたいと思っている。そういうふうに私の時間を使いたい。今日も友人にハガキを一枚出してきた。どうか、届きますように。

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