「シアワセ」第二話
晋作の高校生活の前半は充実していたとは言えなかった。何かに熱中するわけでもなく、毎日を退屈に過ごしていた。一度授業が始まれば寝るか騒ぐかの二択。だからと言って勉強ができないわけではない。むしろできた方だ。真面目に授業を受けないくせにテストではある程度の点をとる。そんな彼に先生たちも対応を悩まされていた。
彼はいわゆる中二病であった。心の底から自分を天才だと信じこみ、感情の起伏が激しかった。そんな彼をうまく扱えるものなど高校にはいなかった。
さらに彼は高校の志望校に落ちただけではなくクラス選択でも親の意向で選抜クラスという学業が優秀な生徒が集まるクラスに入ってしまった。
そのようなクラスに馴染めるはずもなく、彼は尖っていった。尖り続けることでしか、刺激のない日々を生き抜くことができなかったのかもしれない。
そんな彼の生活態度や破天荒な性格はバンビに出会い少しずつ変わっていった。
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