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部活から学んだ物を大切にする心

 先日の某社の新製品CMについて、破壊的な内容は日本人としては到底受け入れられないという意見が出ていました。
 楽器や人形をプレスしてしまうのを目を背けたくなるのは日本人だけでなく受け入れがたい光景でしたよね、現にそのCMは放映やめてますし。

 物を大切にする、って、もちろん、親から躾けられたり、様々な教育の場で教わり、やがて心に宿るというか、無意識でも物を大切にしたい、ましてや好きなことに関する物に関してはより一層気をつけて扱うようになります。

 しかし、私は、一昨年、部活の生徒に大会の時の許せない行為に関して叱ったことがありました。物を大切にしない不快な行為をしたからです。

 その行為は、全国大会でのこと、自分の演技に納得いかず、演技を終えて帰ってくるなり、大切な手具を投げ捨てたことと、本番に出ていく時に汗を拭いたタオルを床に投げ捨てて演技フロアーに出ていく行為をしたことでした。
 おそらくその時が初めてではないし、クラブチームではヨシとしていたのでしょう。気付くと、全国上位の選手が複数名同じようにタオルを床に投げ捨て、コーチがそのタオルを当たり前のように拾って演技を終えた選手に渡していたのを見かけました。
 私にはその行為は違和感しかなく、床に物を投げつける行為が選手が演技面に出る時の気合いを入れる儀式的な行為とでも???それに汗まみれのタオルを投げつけられた床を誰も踏みたくないでしょうし、掃除もしたくないはずです。演技フロアーに送りだす顧問としては、その行為に驚きと苛立ちをもったとしても、投げつけられたタオルを拾うしかなく、さらに戻ってきて間も無くもう1種目演技をするので、そこで叱ることは避ける判断をしたら、ミスに納得いかず戻ってきて手具を投げるように置き、タオルも受け取らずに着替えに行ったわけです。
 一緒にいたクラブコーチにその不快感を告げるも、本番中はあまり刺激したくないからとにかく甘やかすようで共感してもらえなかったのです。
 トップアスリートを何人も育てているコーチが?と、私はがっかりし、自分の口で生徒に不快感を伝えることにしました。

 私は全国大会に出られるような選手ではなかったけれど、この競技を心から好きで夢中になり、部活から学んだことは今も大切にしています。 
 私の恩師は、私たちが謝って床上の手具を跨いでしまったり、踏んでしまったら激怒しました。いまだにその指導は心にあります。

「大切な手具を跨いだり踏むような人には新体操をやる資格がない」とも言う恩師でした。

 当時は極端だと思いながらも、手具への気の使い方や自分の好きなことへの向き合い方の基礎はその恩師から学んだことが今に繋がっているのだと思っています。

 自分に自信をもつことは大切ですが、だからといって驕った態度で大会に出ることは許さないし、ましてや好きなことに使う大切な物を粗末に扱ったり、感情で物にあたったり、自分の汗を拭いたタオルを床に投げつける行為は到底私には受け入れがたいし、そんな選手は引率したくないと伝えたのはその生徒が最初で最後だと思います。

 クラブチームの指導ではできないところが部活にはあると考えています。とはいえ私が受け持つことになった部活は特殊な受け入れ方をしているので、毎日の練習はクラブチームで行うため勤務時間後に21時までということもあり、毎晩見れているわけではありません。それでも時間ができると練習に行き、技術面だけでなく、私自身が部活で学んだことを指導しています。
 たとえ伝わるのが10年後でも、20年後でも、意味はあると思うのです。

 自分の好きなことで使う物を大切にすることができなければ、自分のことも大切にできないのではないでしょうか。

 もし私が吹部の顧問で楽器を粗末に扱ったら大激怒します。

 そんなことを考えた週末でした。

明日は大会です。インハイ二次予選。最終予選は来月なので、出場目指して頑張ってほしいです。 

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