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【保護者懇談会はどうしてる?】

 私は、保護者懇談会が好きです。
同僚には驚かれますが、私自身が学ぶことが多いからです。母となり、自分が保護者懇談会に行くたびに、紙面で済む報告だけだったり、保護者会役員を決めるためだけの会だととにかく目立たないように下を向いて参加されていたり、正直、仕事を早退したり代行頼んでまで行くべきだったのか?と感じることが多かった気がしました。
 でも、我が子のために、何か有益な情報や、我が子の学校での様子を知りたいから行く方がほとんどなのです。もちろん、そこで初めて対面できて、ママ友ができたり、子どもから聞いている友人の保護者と挨拶できたり、繋がることができるということは大きいので、時間を作れる時は参加していました。
 開く立場になった時に、保護者視点で、せっかく来たら損をしたような思いをさせてはいけないと思うようになり、私の保護者懇談会を有益な交流の場にするべく工夫をすることにしました。


1.アイスブレイクタイム

ウェルカムボードとして
終業式であるその日にできた寄せ書きを
モニターに映してお出迎え

 これが大事!年間で3回あるのですが、毎回初めて参加の方もいるので、スタートの時点ではみなさん緊張した雰囲気です。 
 今回は今年最後の回だったので、来年度は今のコースから残念ながら移動する生徒もいたりして、気を遣います。
 毎回座席はこちらが名札を置き、最初は設定しておきます。時間に余裕があれば席替えタイムもありますが今回は年間通して生徒同士が仲良かったり、部活が同じだったり、同じくコース移動になる生徒の保護者を意図的にペアになるように配置しました。
 最初に軽くご挨拶したら、まず、雰囲気をリラックスできるように、10分間ペアトークタイム。

 5分ではいつも足りないので、最終回は10分に(笑)しかし、私の予想以上に盛り上がるので、様子を見ながら羨ましいなぁ、と巡回しつつ、ニヤニヤして時にはトークに加わりながら楽しみます。

 「盛り上がりのところすみませ〜ん。続きは後ほどにしていただき、みなさんのこの1年の様子をご覧いただきます」と、次に進むと、和やかな雰囲気のままお隣と微笑みながらスライドに目が向きます。↓

2.生徒の様子を報告
(フォトスライドとリアルタイム解説で)

ロイロノートのくらげチャートで整理したフォトスライド

 話し足りない様子でも、スライドなら和やかに切り替わるので、1からの流れでスライドに目を向けさせます。
今回はあえて、音楽付きのいつものムービーではなく、ロイロノートのスライドムービー機能でリアルタイムで私が写真の解説をしてみました。
時間調整的に写真送りも速くしたり止めたりすることができたので意外と良かったです。
 3回目でやっと全ての行事の様子を見ていただけるので、3回ともいらした保護者も初めての保護者も楽しんで観ていただけたと思います。
 行事以外のホームルームや、掃除の様子など、保護者たちは、我が子の家以外の姿を知りたいですよね。私も我が子の学校に行く時に、少しでも我が子の学校の様子を知りたくて行くので。なるべく出席されている保護者のお子様のかわいいエピソードを交えて解説すると会場に笑顔が増えます。

3.年間通しての進路指導について

 こちらがメインで出席されている方も多いので、ここはしっかりと真面目に、今年度の進路実績と今年度の学習の様子、模試結果、受験指導をコンパクトにしっかりとお伝えしました。
メモをとりながら聞いていただき、ありがたかったです。

4.探究活動について

 年間を通して実施した探究活動について紹介しました。教科指導だけでは育たないスキルを身につけて欲しい思いを熱くお伝えしました。
 受験さえ勝てれば良い時代は終わりです。社会で活躍できる生徒たちの強みを探究し、強みを持って卒業してほしいと願っています。これは、今、私が本校の生徒に最も足りていない、且つ必要なスキルと思っているので、ご家庭でも、勉強以外の"好き"を応援していただきたいとお伝えしています。

後期の探究活動のプロット図
This is meという題で自分を表現してもらいました
始業式を終えて間もなくの自己紹介スライド

5.今後について

 来年度はいよいよ受験生。
高3は12月までしか授業がないので、4月から実質は夏休みや試験の期間などを考えると約7ヶ月ほどしかないのです。その中でそれぞれが進路に向かって行くための流れを説明しました。その上で、受験生をもつ保護者の方を励ましながら、私自身も来年度は娘が受験なので母として頑張らなければと言い聞かせたのでした。
 自宅に帰り、家族にその話をすると、家族が吹き出して
「そのままの内容をゆかり先生からゆかりママに話してもらいたい内容だよ」と言われたのは内緒です(笑)
立場変われば、スイッチが変わるのですね(笑)
 私が母としてなかなかできていないことですが、担任としては受験生の保護者にぜひお願いしたい姿勢についてをお伝えしたということです。
母としてはゆかり先生が言っていた内容を胸に頑張ります(笑)
 担任としては保護者に寄り添いながら一緒に頑張っていきます(笑)

6.お一人おひとり30秒←30秒コメント

 ペアトークの延長の雰囲気のままなので、一言ずつですが、1年間同じクラスで学んだお子さんを持つ保護者たちに一体感が生まれます。
 お一人おひとりにそのお子さんの頑張ったところを(スライドの時のコメントとダブルで)お伝えしながらテンポよく回していきます。

7.お見送りしながらの面談

 これは、別に予定しているわけではないのですが、会を終えた後、名札を返しながらご挨拶するイメージは、結婚式のお見送りのような感じになります。
 来年も担任かもしれないけれど、この時点では私も保護者もわからないので、名残惜しい感じでお見送りしながらお悩みをお聞きしてアドバイスしてお見送りします。

8.時間がない方は紙にお悩みごとを記入していただき、メールで返答

 こんなことしたら、クレーム拾うことになるから絶対やらないと同僚は言いますが、私は、平日の午後にお仕事を休んでまでいらした保護者の声は全て拾いたいのです。
 

これは相談ごとでも何でも書いてくださいシート

 ほとんどがこの1年間の感謝や私への心温まるメッセージでした。
メアドを明記された方にはお一人お一人に返事を送りました。
 
 私は担任業が好きです。
でも、年数を重ねたからです。新米の頃は正直、苦手でした。それは、ベテランが自分の色を出すことにばかりで若手は孤独になっていることが原因だと今はわかります。
 私が最近考えているのは、保護者懇談会は、せめて横並びやコースでまとめてやりたいということです。
うちの学校では学年全体だと20クラス近くなるので、学年懇談会とは別に各クラス懇談会になりますが、コースや文理に分かれれば、そのまとまりで担任団での懇談会ができますし、チームで見ていることが若手担任の心理的負担を軽減することに繋がると思います。
 クラスの保護者一人ひとりに向き合う担任が複数になれば、保護者も生徒も今以上に心強いだけでなく、若手の孤独感は軽減できるのではないでしょうか。
来年度はめげずに、同じコースの文理4クラスで、もしくは文系2クラスでみていこうと提案し、チームでみていくことを提案していこうと思います。

チーム担任制、なかなか本校では難しいかもしれませんが、小さいまとまりででもチームでみんなをみる体制を実現させたいなぁ。

孤独な先生をなくしたいです。

仲間がいれば頑張れます。

仲間がいれば楽しい仕事なのです。

保護者懇談会は怖くないです。
怖くてもチームなら大丈夫!


#私の仕事

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