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アルビノの私が視野検査を受けてきた。

視野検査の敵、時間と眼振

酷暑のなか、私は眼科までの道を歩いていた。視野検査を受けるためである。何度溶けると思ったかしれない。一歩一歩が重かった。

眼科で行う最も知られている検査と言えば、ランドルト環の空いているところを答える視力検査だろう。それもやったが、今回私がメインで受けたのは視野検査なるものだ。

視野検査は白い半球の一点を見つめたまま、半球のどこかに現れる光を見つけてボタンを押すというものである。片目に20分、両目に40分かかるという、長丁場の検査でもある。一瞬ですむ採血などの検査とは一線を画している。

この検査は私にとってかなりやりにくいものであった。一点を見つめる、つまり凝視するということがアルビノで眼振のある私には至難のわざなのであった。一点を見つめる、と意識してやっていても、すすっと眼球は揺れる。

また、片目に20分という長めの所要時間もつらかった。20分も目を揺らさずにはいられないのだ。何せ自撮りでさえできないレベルの眼振(なお自撮りは結局まっすぐ前を見ている写真を諦めた)である。

検査の人が一生懸命やってくれているからこそ、しっかりした検査結果を出すべく、凝視するのを頑張ったが、眼球は揺れた。どうか、ちゃんとした結果が出ますようにと願って、検査室を後にした。

そして気になる結果は

疲れに疲れた目を休めようと思うのにスマホを使ってしまう、という何とも矛盾した待ち時間を経て、診察の時間が来た。

視野検査の結果などを聞く時間だ。

「眼振があるのでちゃんと結果出てるか不安なのですが」

「大丈夫ですよ」

というやり取りの後、告げられた結果は視野に問題なしというものであった。

ほっとした。視野が狭い自覚があったわけではないけど、実際に結果として"見えている"と示されると安心する。

私の場合は視野は正常にあるようだ。それはともかく、視野検査で一点を見つめて疲れたのにスマホで文章を書いているので、もう少し目を労りたい。

執筆のための資料代にさせていただきます。