フィンランドの朝食とライ麦パン
文化って色々あって面白い
4年ほど前、フィンランド人のお宅に数日だけホームステイさせてもらったときのこと。
訪れた7月は、長い長い冬を耐えたフィンランド人の気持ちが浮かれるホリデーシーズン。多くのひとが1カ月ほどの休暇をもち、都会で働いている人も森林と湖エリアの別荘に滞在するのが一般的なのだとか。
日本のように根回ししながら有休と土日をつなげてなんとか1週間休む、というのは何なんだろう、、、と思ってしまうぐらい、当たり前の文化として根付いている。
それで社会がちゃんと回っているのだから、そんなふうに皆が自分の時間を大切にしていいんだよーという説得力があった。
ホームステイ先は田舎の一軒家
そのご夫婦は地方の森林の湖畔に面した家に定住している。
夫は地元の消防士。
フィンランドは国土の70%超が森林(日本は60%超)で、乾燥しているため雷が多く、森林火災が自然発生するらしい。
町の防災に心を注ぐ、アツいハートをもった男だ。
妻は会社員で、いつも車をぶっとばして通勤している。
冬は家の前にある凍った湖を歩いて行ったりするらしい。ただ、薄い場所もあるので見極めが大事なのよ、と力説された。多分、修得機会はないだろう。
夫婦共働きがメジャーのフィンランド。
ホリデーシーズン以外は忙しいので、家事に対してはとても合理主義。
食洗器は必須、
冷凍食品大活用(夏の青果を保存する面もある)、
料理はどーんと作って翌日も食べる。
現代人はパンを作る人は少数派で、もっぱら市販のライ麦パンを食べたり、
こちらも主食のジャガイモをふかして食べていた。
また、食材も土地環境的に種類がそう多くない。
それも影響してか料理は基本的にシンプルな構成だった。
あと、酪農がすごく盛んで乳製品のバリエーションは異常に多かった。
ヨーグルト、牛乳、クリーム類の幅が脂肪分などでも色々区分があるし、
あらゆる料理にためらいなく生クリームやバターが投入されることが多い。
フィンランドの朝食
ホリデーシーズンの朝食。
シャキッと起きて食べたら身支度して!
という感じではなく、それぞれのリズムでゆるーく起きて、
テラスで好きな分だけライ麦パンと他のものを食べ、
汗を流したかったら目の前の湖で水浴びしてくる。
自分はバターとか外に出しっぱなしは温まっちゃうよ~と気にしてしまうけど、そういうことは気にせず全体的におおらか。
ああ、ゆるい、、、。
こんな感じで1日中好きなリズムで過ごすのがホリデーなのだという。
やはり現地の環境で過ごしているからか、
米を食べずにライ麦やジャガイモで過ごしていても不調にはならなかった。
むしろライ麦の酸味が心地よく、バターやチーズと合わせても体が重くならない不思議。
もともとライ麦パンが好きだったけれど、普通の主食として食卓に馴染んでいるライ麦パンを体験できたのが嬉しかった。
全然特別な食べ物でもなんでもなく、食糧としてのパン。
それを取り巻く食事と、環境って面白い。
日本で自分がライ麦パンを作るとしたら、どんな食べ方・付き合い方を提案できるのかな。
東洋医学とからめていきたいな~。
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