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母の介護②〜生きる力を信じる〜

母のストレスは、とにかく愚痴を言うことでしか発散できないらしく、毎日電話がかかってきては、「夜眠れない」「何もすることがない」「携帯電話がぐちゃぐちゃになった」と言った後、「もうこのままあかんようになるんかなぁ?」と言った。

母は、出歩くのが好きで、習い事もいろいろやっていたから、なおさらなのだろう。

遠く離れているから、それでも愚痴を聞いてあげられるが、そばにいたら、もうとっくに爆発していたかもしれないと思う。

外にも出してあげたいし、スーパーに買い物にも連れて行ってあげたいけれど、歩行器に全体重を預けているのだから、なかなか難しい話で💦

そして、最後には、やることがないから、ほとんど寝てばかりだと言う。

そのせいで、足はむくみ、パンパンに腫れている。

動かないから、食事もたいして食べられない、だから、便秘になると悪循環ばかり。

さらにさらに鬱々としてくる。

「なんでも、与えられた環境の中で、どう生きるかは自分の捉え方次第だと思うよ。」と母にちょっと上から目線で伝えたりもした。

そんな母が、こんなに退屈なら、テレビを買おうかと言い始めた。

以前は、「そんなんいらん。」と言っていたのに、自分からそう言い始めたのは、ちょっと進歩。

そして、朝ごはんも、卵かけご飯が食べたいと。

「それなら、炊飯器の小さいのを買って、無洗米と卵とお醤油を買えば、食べられるよね。」と言ったら、まえは、「何もする気がないから、いらない。」と言っていたのに、「そうなの?」と言う。

そして、一人暮らしの時に取っていた生協を始めようかしらとも。

何事も後ろ向きだった母が、ほんの少しだけれど、前向きになってきた気がする。

前向きになることは、
まだまだ生きる力があるということだ。

少しずつ、少しずつだけれど、母の背中を押していこう。

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