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やさしい言葉など、なくてもいいから。


新しい年が始まった。
いつもと同じ朝なのに、いつもと違う演出で
世の中が動き始めたのを感じた昨日。

あと数日もすれば、この雰囲気は日常にシフトしていく。

温かい紅茶を入れながら、テレビの画面が目に入る。
箱根駅伝だった。

私は普段、テレビを観ない。
スポーツもたいして興味がない。

久しぶりにテレビの前に座って、走る選手を観ていた。
鍛えられた身体、険しくもたくましい表情。
沿道の応援。歓声。

頑張っている人と、それを応援する人。
「分かりやすい構図」がそこにあった。


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以前の自分を思い出す。

一人で壁に立ち向かわなければいけなかった時があった。
壁の前には、自ら進んで立ったわけだが、
それなりに高い壁で、とても苦しかった。

誰かに相談することもできたが、
最終的な判断は自分自身でしなければならなかった。

そういうことが、
人生には、たまにある。

あの時、
不思議と感じる存在があった。
そして、勇気をもらった。

記憶の片隅に残しておいた気持ちが蘇る。


やさしい言葉など、なくてもいいから。


登り坂を、ただ走ることに集中して
地面を蹴っている選手を見ていたら

感情が揺さぶられて、泣きそうになる。

きっとこの画面に映し出されていない
いろんな「人の支え」みたいなものを感じたからだ。

あの時もそうだったのかもしれない。


そう。
直接的な、やさしい言葉など、なくてもいいから
感じ取れるものがあればいいから、

そういう「支え」に、私もなりたい。
そういう「存在」に、私もなりたい。


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あれから何年も経ってしまったけれど、
「あの時はありがとう」と、
今度、あの人に会う時に、言えたらいいと思う。

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