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言葉の並べ方。その人を見る。

私は誰かの文章から、その人がどんな人かを見ることが好きです。
好きというよりも、文章に触れた途端に、その人を知ろうとし始めてしまうところがあります。

私はそれを、「文章をトレースする」とか「言葉をトレースする」と呼んでいます。

この、トレースする思考は、ニュース媒体であったり商用の文章からは発動しません。
どちらかと言えば、校正される前の生まれたての文章にいちばん反応します。

言葉の並べ方。その人を見る。

夕飯を食べ終えた後、息子が私の部屋に来ました。教科である「政治経済」の課題で、文章を
書かなければいけないと。
途中まで書いたけれど、後の言葉が出てこないという相談でした。

文章の途中でつまずく時は、ゴールを見失った時です。
今回の場合、ある意味一方的に出題された課題なので、自分が心から生み出したい文章ではありません。

そんな時は、そもそもポリシーに欠けるので、ゴールを見失いがちになります。

まず、書けた文章をトレースします。
何とか紡いだ文章の中にも、書き手の背景が見えてきます。

「君の文章は、たくさんの問題を読み解く習慣があるのが見えてくる。」

「ここでこの言葉を使うのか。こんな言葉を使うようになったのか。」

「この事を始めに書いたってことは、どんな理由から?」

「っていうことは、これまでの過去の出来事より、未来にベクトルが行ってるよね」

次々と、彼の紡いだ文章をトレースして、思考の流れを見ていきます。


まあまあ苦戦しながらも、ゴールが見えてきます。そして、文章が広がっていきます。


言葉の並べ方は、その人を表わします。
人となり。人生観。価値観。
身体が震えるほどに、見えてきます。

少し怖いと感じながらも
私は言葉のトレースが好きです。
言葉はとても大切。

明日の朝、彼の書き上げた文章を
最後まで読ませてもらおう。
成長を感じる、その、文章を。



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