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「伝えたい思い」がある時、その表現に加えなければならないもの。


先日、高校生の息子が「UI」という言葉を初めて知ったようで、私に対して
「UIって意味、知ってる?」
と聞いてきた。

せっかく意気揚々としているところ申し訳ないのだが、私はIT業界で食べてきたものだから
「存じ上げております」
と回答した。

ちょっと残念そうに苦笑いしていたが、その言葉を知った喜びと、共有できた嬉しさでいっぱいの様子だった。

CUI:Character User Interface(キャラクターユーザーインターフェース)
GUI:Graphical User Interface(グラフィカルユーザーインターフェース)

UIから少しだけ発展して、CUIとGUIについて付け加えると、さらに関心を帯びてきて、スマホの画面を見ながら頷き始めた。

生活の中にあらゆるGUIが存在する。アイコンに象徴されたその機能や役割を、ユーザーレベルに落とし込んで、説明書がなくとも感覚的に使用できるようになっている。


「これ、開発した人とかすごくね?」
「ここかなぁ?って思ってタップすると、やりたいことができるって、すごいよね」

さて、単純な私は、息子とGUIについて、スマホの画面を見ながら会話していたら、どんどん胸熱になってきた。

「説明書とかはCUIなんだよね?」
「絵は、GUIだよね。」
「じゃあ、音楽は? 何UI?音で知らせるってあるよね。」


「伝えたい思い」がある時、その表現に加えなければならないもの。

CUI や GUI について話をした後、ふと気づいたことがある。

私たちが、誰かに思いを伝える時は、会話・文章・イラストといった種類のものを使用している。
世の中にはそれらのスペシャリストがいて、さらに発展させた作品があり、さらなる表現を求めて日々歩んでいる人たちがいるだろう。

そこまでのスペシャリストに、今からなれないとしても、まだできることはある。

それは、表情だ。

誰かに何かを上手に伝えたいと思う時、私たちは「思い」にいろいろなものを付加する。何かに関する説明であれば、詳細情報を付加するだろう。

難しいのが、「感情」を伝えたい時だ。
理解して欲しい。共感して、一緒に感動して欲しい。
誤解なく、繊細に感じ取って欲しい。
そんな時に付加するのは表情だ。

対面の場合は相手の表情が分かるから、伝わりやすい。
けれど、音声だけであったり、文章のみであるとハードルが上がる。

文章で言うところの表情は、情景だ。
感情を伝える時、小説家になったような気持ちで、相手に「情景」を見せるのだ。

LINEなどの、短文に慣れている現代人は、感情を文章で伝えるのが苦手だ。
思い切って小説家になる。
小説家?そんなのわからない!という場合は、小説を読む。
恐らく初めの1ページで答えは出るはずだ。

かくなる私も、しばらく読んでいない、しまい込んでいた小説を手に取って読み進めるつもりだ。
お気に入りの赤いブックカバーを探そう。
そして、小説家になってみようじゃないか。



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