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咲いて、散る。咲くを、知る。

外出自粛をし始めてから、決めたことがありました。
写真を、できるだけ撮ることです。

春。

ヘビー級の花粉症の私は、この時期は寝込むほど苦しむことが多いです。
昨夏ぐらいに咳が続いたのをきっかけに、アレルギー検査をしたんですね。夏だというのにスギ花粉の反応が最大値で、病院の先生に笑われました。
そして、「ピークの時期は、今まで相当苦しかったでしょう」と言われて、「そーなんですよぉーーー」とめちゃめちゃ頷きました。

そんなわけで、夏の終わりぐらいから薬を飲み始めました。
おかげさまで今年の花粉症は、家にいることが多いのもありますが、たいへん症状が軽く。
だから、コロナさえなければ、カメラを持って、テクテク街を歩きたかったのです。

愚痴を言ってもキリがないし、これから長きに渡る事態なので、テクテク歩きは諦めました。

その代わり、カメラでもスマホでも、ちょっと気づいた風景があれば、躊躇せずにシャッターを切ると決めました。


咲いて、散る。咲くを、知る。

私はしゃがんだ姿勢で、シャッターを切るのが好きです。
これを「猫目線ショット」と勝手に命名しています。

目線が変わると、驚くくらい日常が変わるのです。

出かける用事があり、いつもは自転車でサッと行くのですが、運動不足なので歩いて行くことにしました。

交差点では工事をしていて、何人もの作業員の方がいました。
小さなお子さんを自転車の後ろに乗せて走る、お母さんの姿もありました。
一瞬、コロナのことを忘れるくらいの、いつもと変わらない風景でした。

帰りがけ、何本かの桜の木を、スマホで撮りました。
そして、いつも通り「猫目線ショット」をパシャリ。
背中に「この人は何をしてるのだろう???」と言いたげな、おじさんの視線を感じながら。


咲いて、散る。咲くを、知る。

咲いている桜と
これから咲こうとしている蕾
はらりと落ちた花弁
そして、花ごと落ちたそれ。

どの状態の桜を見ても
心震えるほどに美しい。

桜はいつもと同じように
咲いて、散る。
その下で笑顔する人の数が
少なくとも、散る。

ちゃんと咲いて、ちゃんと散る。

しっかりと生きているものを感じて
しっかりと生きないといけないと感じる。


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