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わたしの声。誰かに届ける声。

幼い頃、さっき話した自分の声が聞こえて大喜びした記憶があります。
恐らく幼稚園にあがる前のこと。その頃住んでいた家の様子まで思い出すと、そんな時代のはずです。

父親は家電メーカー関連の会社に勤めていて、余剰在庫が出たという理由で、家に電気製品が増えることがありました。(ちゃんと手続きはしていたはず・・・)

そこに登場したのが、カセットテープレコーダー。
ラジオ機能も付いていない、純粋なカセットテープレコーダーでした。
テレビの入出力に端子をつなげて、歌番組を録音できるとあって、姉と一緒に大喜びしたのを覚えています。

昭和の歌謡曲やアイドルの曲を、好きな時に聞くことのできるその機械には、赤いボタンがありました。
赤いボタンは、何かと同時に押さないと下まで押し込むことができない特別仕様。なぜこのボタンだけ押すことができないのだろうと不思議に思っていたのが、ある時この特別仕様に気づくのです。

そして、
「あれ?何にも聞こえないよ?・・・あれ?」

さすがに何を言ったかまでは記憶にないのですが、恐らくそんなことを口にしたと思います。
そしてまた、いろいろなボタンを押していたら、赤いボタンが元通りの位置に戻ったのです。

その時は何が起きたか分からなかったけれど、後から自分のしたことに気づきます。テープを巻き戻して、いつものように曲を流していたら、突然静かになったのです。

「あれ?何にも聞こえないよ?・・・あれ?」

とぼけた声が聞こえて、それが何かが分かった時、何とも言えない嬉しさが込み上げてきました。
自分の声を自分で聴いた、初めての瞬間だったことを振り返ります。



今日、仕事で必要になったため、動画を撮りました。自分の顔を映し出した、数分の動画を2本。本当に数分です。

話をするのが得意ではないこともありますが、動画を撮るとなると別のプレッシャーもあってなかなか大変でした。笑

以前トライした時よりも表情は穏やかだったし、話し方のテンポも悪くはなかったです。あとからカットしやすいように、センテンスごとに十分な間を空けるようにするなど工夫もしました。

しかし。
しっかし・・・。

とにかく長い一文を話し切ることができず。
噛みまくるだけじゃなく、途中で何を言いたいかが分からなくなってきて、変顔をして一時停止。

繰り返しえますが、数分の動画を2本。本当に数分です。
それに半日かけてしまいました。

その代わりと言ってはなんですが、編集ソフトの使い方だけはかなりマスターできました。基本的な操作だけですが。


わたしの声。誰かに届ける声。

編集しながら、前回ほど無駄に頭を動かさずに離しができている自分に気づきます。前回、とにかく頷きながら喋っている自分に愕然としたのです。

「半日かかってしまったけれど、わたし、成長したやん」
無駄に自己肯定感の高いわたしは、いつも通り自画自賛し始めます。

この動画は、お客様への挨拶動画でした。
もうちょっと笑顔があっても良かったかもと思いつつ、この声と表情で、お客様の心が動くことを願って編集を続けました。

そして、作業を終えたら、大昔のカセットテープレコーダーを思い出したのです。


文章で伝えるも大切ですが、表情も一緒に伝える。
声を届ける。
相手への伝わり具合が全然違うから、苦手でも動画は必要ですね。

日々精進でござる。
明日も、精進するで、ござる。


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