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国立科学博物館 宝石展 地球がうみだすキセキ(Ⅰ)

みなさん、こんばんは。
現在上野公園の国立科学博物館で特別展『宝石 地球がうみだすキセキ』という展示が行われています。
私、本職はジュエラーですので、3回に分けてコラムを掲載いたします。
紫がたり 第四十二話 紅葉賀(一)は6月4日(土)に掲載いたします。

宝石展の構成は五部構成になっております。

第一章 原石の誕生
第二章 原石から宝石へ
第三章 宝石の特性と多様性
第四章 ジュエリーの技巧
第五章 宝石の極み

それでは、みなさん。
宝石が如何に形成されたかご存知でしょうか?
そのほとんどはマグマがたぎる地球内部で産出された鉱物です。
専門的すぎるとわかりづらいので、イメージで説明しますと、、、
マグマによる高温、高圧の下。
凝結したり、液体が蒸発したりする過程で原子が規則正しく配列し、結晶へと成長します。

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しかし、それは長い年月をかけて為されるのです。
宝石の王様と認知されるダイヤモンドの生成も然り。
ダイヤモンドが地球内部で生成されたのは今から約9億9000万年前~33億年ほど前といわれております。それは地球誕生と共にといっても過言ではありません。
我々人類の誕生が200万年前とされていますので、その歳月たるや想像もつかないものです。
それがマグマなどによって一挙に地表に押し上げられ、冷却されたことで、ダイヤモンドの原石は誕生しました。

第一章 宝石の誕生 というブースではまさに母岩ごとの宝石が展示されております。
入口すぐに展示されている圧巻のアメシストドームもフォトポイントであり、見どころです。

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(※紫水晶のことを日本では一般的に『アメジスト』と呼ばれますが、正しくは『アメシスト』です。この宝石展において、「アメジスト」と表記されていたら私は暴れたかもしれません。冗談です)

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宝石の原石と人との出会いはどのようなものだったのでしょうか。
ダイヤモンドが最初に発見されたのは川辺であったといわれております。
河川によって大地が削られ、地表に現れたダイヤモンドの原石が人の住む近くまで水で運ばれたということです。
水を汲みに来た人間がキラキラと輝く石を発見して不思議に感じたことでしょう。
同じように赤や青、緑や黄色とカラフルな原石を見出したのです。

さて、前述のような過程を経て、数多の鉱物がこの地球上には存在しますが、ジュエリーとして身に着けることのできる宝石は限られております。
そこに石の硬さ(硬度)というものが重要になってくるのです。
原石のままでは宝石は美しい色を発色したり、輝いたりはしません。
カッティングを施し、研磨することで宝石の美しさを発揮するのです。
そこで重要なのが硬度になります。
宝石を輝かせるには面をつけて外から入る光を取り込み、内反射させることが肝要です。
柔らかい石では面を取る時に欠けてしまいます。
よく知られる四大宝石
モース硬度10は言わずと知れた「ダイヤモンド」。
「ルビー」「サファイア」のコランダムはモース硬度9。
「エメラルド」は少し下がってモース硬度7.5~8 ということになります。
いずれも宝飾品品質ということでなじみがあると思います。

明日は誕生石についてのコラムです。

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