紫がたり 令和源氏物語 第百六十一話 絵合(七)
絵合(七)
ここでこの帖のタイトルである『絵合(えあわせ)』についてちょっとお話し致しましょう。
平安時代において、「合わせる」とは「比べる」という意味でした。
ここで同じように「合わせ」で思い浮かばれる言葉といえば『貝合わせ』ではないでしょうか。
これはつまり、どちらが美しい貝かを競うということなのです。
現在とは意味合いが違いますね。
姫君の御輿入れの道具として「貝桶」というものがあります。
二枚貝はその形状から二つとしてぴったりと対になる物はなく、夫婦円満、貞淑の