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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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#夕霧

紫がたり 令和源氏物語 第四百三十九話 幻(八)

 幻(八) 五月雨の頃になると、じめじめとしたこの国特有の風土に気が滅入るもの。 源氏は…

YUKARI
11か月前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百二十二話 夕霧(二十五)

 夕霧(二十五) 夕霧が迎えに来ても何ら状況が改善することなく、孫まで連れて行かれたの…

YUKARI
11か月前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百二十一話 夕霧(二十四)

 夕霧(二十四) 大臣の邸に着いて雲居雁の御座所に通された夕霧はなんと叱りつけようかと…

YUKARI
11か月前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百二十話 夕霧(二十三)

 夕霧(二十三) 夕霧が一条邸に押しかけて婿らしく振る舞っているという噂はすぐに雲居雁…

YUKARI
11か月前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十九話 夕霧(二十二)

 夕霧(二十二) 宮はとうとう大将がここまで来られてしまったと動揺されました。 いつまで…

YUKARI
11か月前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十八話 夕霧(二十一)

 夕霧(二十一) 一条邸では宮が変わらずに塗籠に籠っておられるのを女房たちは子供っぽい…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十七話 夕霧(二十)

 夕霧(二十) 花散里の君は夜更けて夕霧が来たのを知り、やはり気になっていたこともあるので、御前に呼びました。 「今日は寒うございますわねぇ。何か温かいものを用意させましょうか」 夕霧はこの花散里の君を母と慕っているので、こうした心遣いがありがたく、さきほどまでのささくれた心が温もり、癒されるように感じます。 「いえ、大丈夫です。お母さまこそ風邪など召されませんように」 「わたくしの心配をしてくださって、お優しいこと。ところで一条の宮を小野から御身がお移しになったと聞きま

紫がたり 令和源氏物語 第四百十六話 夕霧(十九)

 夕霧(十九) 定められた通りに小野の山荘は片付けられ、宮が残りたいと願ってもすでに手…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十五話 夕霧(十八)

 夕霧(十八) 夕霧は覚悟を持って今さら後には引けぬと一条御息所の御法要をすべて先頭に…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十四話 夕霧(十七)

 夕霧(十七) 源氏はあのように思い詰めた夕霧を見て、堅い者ほどこれと決めたらば譲らぬ…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十三話 夕霧(十六)

 夕霧(十六) 小野の山里はしばらく来ぬ間にずいぶんと様相が変わっておりました。 吹き渡…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十二話 夕霧(十五)

 夕霧(十五) 八月の二十日頃に御息所が逝去され、七七日(なななぬか=四十九日)を喪中…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十一話 夕霧(十四)

 夕霧(十四) 辺りには死の穢れを忌み憚るように鈍色の幕が引き巡らされ、屏風によって隔…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第四百十話 夕霧(十三)

 夕霧(十三) 一条の御息所が身罷られたという報せは瞬く間に京中に広がり、源氏や致仕太政大臣はすぐにお悔やみの使者を送らせました。 山に籠られている朱雀院はかつて愛した人が儚くなられたのを悲しみ、一人残された女二の宮がどれほど心細くあるかと心を込めて手紙をしたためられました。 しかし院はすでに俗世を離れた身、日々無常を噛みしめておられるので、御仏の掌に召されたのも仕方なし、というやはりどこか浮世離れしたもので、父親として娘を心から励まそうというものではありませんでした。