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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2023年4月の記事一覧

紫がたり 令和源氏物語 第二百九十五話 梅枝(六)

 梅枝(六) 源氏が極上の調度品を誂えさせたり、絵物語を集め、草紙なども吟味していると…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百九十四話 梅枝(五)

 梅枝(五) 春宮の元服の儀は同じ如月の二十日と定められておりました。 源氏の姫も裳着を…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百九十三話 梅枝(四)

 梅枝(四) 明石の姫君の裳着の式場は秋好中宮の御殿にてしつらえてありました。 式が始ま…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百九十二話 梅枝(三)

 梅枝(三) 月がほんのりと浮かび上がるように昇り、香のかぐわしい余韻に浸る源氏と兵部…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百九十一話 梅枝(二)

 梅枝(二) 源氏は女君たちに遣いを出し、香を持ってこさせるように伝えました。 「ところ…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第二百九十話 梅枝(一)

 梅枝(一) 玉鬘への想いを悶々と持ち続ける源氏ですが、太政大臣という国家の要の人でも…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十九話 真木柱(二十)

 真木柱(二十) その年の十一月、玉鬘は美しい若君を産みました。 右大将も大喜びで、玉鬘を以前にもまして大切にするもので、夫婦仲はことさら良好のようです。右大将の若君たちもすっかり玉鬘になつき、愛情を受けてすくすくと成長しております。 その噂を聞くにつけても式部卿宮は面白くありません。 娘は物の怪に苛まれて、手に負えなくなるばかりです。 しかし右大将は北の方に経済的な援助を施し、定期的に若君たちをあちらの邸に行かせるようにして、完全には縁を切っておりません。 真木柱の姫君

紫がたり 令和源氏物語 第二百八十八話 真木柱(十九)

 真木柱(十九) 右大将を夫として認め始めた玉鬘ですが、何しろ最初の始まりがよいもので…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十七話 真木柱(十八)

 真木柱(十八) 子供とは邪気が無く、なんと無垢で愛らしいものなのだろう、と玉鬘は二人…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十六話 真木柱(十七)

 真木柱(十七) 体が回復してくると、玉鬘はいろいろと考えを巡らせるようになりました。 …

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十五話 真木柱(十六)

 真木柱(十六) 玉鬘姫は物も食べることができず、寝付いて病人のようになってしまいまし…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十四話 真木柱(十五)

 真木柱(十五) 源氏は右大将のやり方にはらわたが煮えくり返るような思いで一睡もできず…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十三話 真木柱(十四)

 真木柱(十四) 後ろ髪をひかれるように御所を離れた玉鬘は心底夫が煩わしくてなりません…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百八十二話 真木柱(十三)

 真木柱(十三) 髭黒の右大将は内裏の宿直所に詰めており、頻繁に玉鬘へあてて手紙を書き、早く退出するよう催促しておりました。 玉鬘が帝の目に留まっては大変だと気が気ではありません。 帝はあの通り美男でいらっしゃるので、じっと見つめられれば拒める女人はいないでしょう。 玉鬘の方からはなんの消息もないので、女房を遣いに出そうと呼び出すと、 「稀にしか参内なさらない姫ですから、お主上が御赦しになるまで宮中にて務めを果たされるようにと源氏の大臣が仰っておりましたわ」 右大将の気狂