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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2023年2月の記事一覧

内大臣の今姫君について

みなさん、こんばんは。 本日は紫がたりに最近登場した内大臣の今姫君、『近江の君』について…

YUKARI
1年前
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都市伝説? 源氏物語を読破するといいことが起こる?!

みなさん、こんにちは。 今回の源氏物語絡みのお話は、以前噂になっていて、友人から聞いたこ…

YUKARI
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十九話 篝火

 篝火    “内大臣の今姫君”の噂は瞬く間に京中に広がりました。 それはもちろん良い噂と…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十八話 常夏(八)

 常夏(八)   女御からの返歌を受け取った近江の君は躍り出さんばかりに喜びました。 「五…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十七話 常夏(七)

 常夏(七)   立派な身なりの側近たちを引き連れて去ってゆく父の後ろ姿を見送りながら、近…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十六話 常夏(六)

 常夏(六)   まったく弘徽殿女御にしても雲居雁にしても申し分ないというのに思うようには…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十五話 常夏(五)

 常夏(五)   現在弘徽殿女御は宿下がりをしておられるのでそちらのご機嫌も伺おうと内大臣は足を向けました。 冷泉帝の寵愛も深く、なかなか宿下がりを許されないのであれば何故中宮になさらなかったのか、とこれまた口惜しいことですが、こちらも今さら言っても詮無いことなのです。 まったく源氏にやられっぱなしなのが不愉快極まりない内大臣です。   女御はさすがにゆったりと落ち着いて父君を迎えられました。 ほっそりとした面に長いまつげが愛らしい。 「お父さま、お顔の色が優れませんわ。お加

紫がたり 令和源氏物語 第二百四十四話 常夏(四)

 常夏(四)   玉鬘の実の父君・内大臣は正直新しく引き取った近江の君の処遇に困り果ててお…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十三話 常夏(三)

 常夏(三)   「思わぬ昔話をしてしまったね」 しんみりとした空気を拭い去るように源氏は…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十二話 常夏(二)

 常夏(二)   夕霧をはじめ弁の少将や藤侍従が源氏を見送る為に玉鬘の住む西の対の近くまで…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十一話 常夏(一)

 常夏(一) 内大臣が生き別れの姫を探しているという噂は密かに広がり、どうも近頃そうした…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百四十話 螢(八)

 螢(八)   明石の姫の養育はそれは慎重に考えられた上でなされておりました。 美しく賢い…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百三十九話 螢(七)

 螢(七)   「とかく正史と言われるものは大まかな筋によって記されており、歴史の流れを後…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第二百三十八話 螢(六)

 螢(六)   例年通り梅雨の時期を迎えましたが、今年はいささか長梅雨のようです。 晴れ間もなくじめじめと雨が降り続いているので、六条院の女君たちは気晴らしのように絵物語に熱中しておりました。   玉鬘姫は鄙びた田舎暮らしで絵物語や小説の類を目にすることがありませんでしたので、鮮やかに描かれた姫君や貴公子の物語が珍しく、その世界に魅了されております。 物語は作り事と女房たちは言いますが、人の心の有様や世間というものなどが如何なものかを学ぶことができます。 中でも玉鬘が特に気に