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紫がたり 令和源氏物語

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青木紫 が語る「令和源氏物語」。創作を盛り込んだ現代語意訳です。 千年前でも現代人でも変わらないのは人の心。 光る君の生涯「桐壺」から「雲隠」まで、449話にて完結です。
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2022年10月の記事一覧

次帖『蓬生』について

みなさん、こんにちは。 源氏物語にはとても印象に残る名場面が数々あると思います。 これまで…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百六十話 絵合(六)

 絵合(六)  源氏が斎宮の女御に数々の絵を献上し、権中納言が新しい絵を描かせていること…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十九話 絵合(五)

 絵合(五) さて、ここのところの風向きを面白く思わないのは、もちろん源氏のライバル・権…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十八話 絵合(四)

 絵合(四) 権中納言は昼間も帝が娘の弘徽殿へ渡られるので安堵しておりましたが、近頃は梅…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十七話 絵合(三)

 絵合(三) 斎宮の女御は深更に入内されました。 落ち着いた女御らしく、上品にしつらえら…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十六話 絵合(二)

 絵合(二)   斎宮の姫が入内を承諾したことを女院は心から喜ばれました。 なるべく早くに…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十五話 絵合(一)

 絵合(一) 藤壺の女院は正式に故六条御息所の姫・先の斎宮に入内されるよう申し込まれました。 遣いとなって六条邸を訪れたのは源氏の君です。 「源氏の大臣、わたくしを主上(おかみ=帝)の女御にと仰せになりましたか?」 姫はとても驚かれました。 帝とはいえ、御年十三歳。 姫宮は二十二歳でいらっしゃるので、年齢差からいってもよもや入内はないと考えておられましたが、母を亡くし心細くあったので、いずれ宮仕えかどれかの縁談を受けるものと思っていたものの、女院からじきじきの申し入れがある

紫がたり 令和源氏物語 第百五十四話 関屋(四)

 関屋(四) 空蝉は京に戻り、平和な日常を取り戻しましたが、夫の常陸の介は床につく日が多…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十三話 関屋(三)

 関屋(三) 源氏が石山寺で参籠(さんろう=祈祷のために数日滞在すること)し、帰京する日…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十二話 関屋(二)

 関屋(二) 源氏が逢坂の関に近づいたあたりで道を明け渡した一行がうやうやしく控えており…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十一話 関屋(一)

 関屋(一) 源氏の若かりし日の恋のひとつにどうしても忘れられない女人がいます。 単衣を…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百五十話 蓬生(八)

 蓬生(八)   末摘花の姫はぼんやりと差し込む月を眺めて亡き父宮を偲んでおりました。 …

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百四十九話 蓬生(七)

 蓬生(七)    六月になり、ふと休める日があったので、源氏はしばらくぶりに花散里の姫…

YUKARI
1年前
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紫がたり 令和源氏物語 第百四十八話 蓬生(六)

 蓬生(六) そのまま年は改まり、春の除目(じもく=官職の任命)で末摘花の叔母である受領の夫は筑紫の大弐に昇進しました。 栄転で、近々一家揃って下向するということです。 侍従の君は悩んでおりました。 実はこの娘は大弐の甥を夫としていたのです。 筑紫下向にあたり夫は侍従の君も伴うつもりでいるのを姫にはまだ伝えていないのでした。 姫が頼りにする源氏の君は一向に訪れる気配も無く、姫が嘆き暮らしていることから、どうにか姫を説得して一緒に筑紫に赴きたいと願う侍従の君ですが、なんと切り