見出し画像

やりたいことはなきゃいけない?高校生との対話から考える、「好き」の見つけ方

先日、島根県の離島で暮らす高校生向けに、「私の生き方」について話す機会をいただきました!

その高校とは、島根県立隠岐島前(おきどうぜん)高等学校。隠岐諸島の島前地域(西ノ島町、海士町、知夫村)では、家から通学できる唯一の高校なんだそうです。

きっかけはTwitter

今回、私がこのようなお話をいただいたのは、Twitterでバングラデシュ時代の知人、大野佳祐さんと再会したのがきっかけでした。

大野さんは、2010年にプライベートでバングラデシュに小学校建設をするため同国を訪問。そこで、当時協力隊として活動していた私を含むメンバーとの食事会があって知り合います。帰国後は疎遠になってしまっていたのですが、大野さんがTwitterで見つけてくれたことで、なんと10年ぶりに関係が復活しました!Twitterってすごい!!

島根県隠岐郡海士町について

東京都生まれの大野さんは、2014年に自称「セルフ島流し」で島根県隠岐郡海士町(あまちょう)へ移住。現在は、先進的な教育環境づくりを行う魅力化コーディネーターとして活動中だそうです。なんかめちゃくちゃ楽しそうな肩書き!!

海士町を「あまちょう」と読むのも知らなかった私。ちょっと町について調べてみましたよ。

島根県隠岐郡海士町は、東京都杉並区と同じくらいの面積に約2,300人が居住。島へは、本州側の港からフェリーで約3時間。シマメ(スルメイカ)や岩牡蠣、サザエ、隠岐牛などが有名で、海・山・田畑がそろった、自給自足できる半農半漁の島です。

2010年には、島らしさを表すキャッチコピー「ないものはない」が誕生。都会のような便利さはないけど暮らすのに必要なものは全部ここにある、という意味が込められていて、「これからの持続可能な社会に必要な価値観」として国内外に積極的に発信しています。

「海士の島旅」サイトには、島の魅力がたっぷり。

グローカル・ダイアログとは?

今回、私がお話ししたのはこちらの「グローカル・ダイアログ」という企画。

日本と外国の相違点や共通点を探ること。
島前地域の独自性を知ること、これからを考えること。

色々な国際的に活躍されている方々と深く対話することで、
視座を高め視野を広げてもらう、
いろんなグローカルな活動に生かしてもらう、
ことを目的に開かれた講座。
隠岐國学習センターのnoteより抜粋)

参加者は、島根県立隠岐島前高等学校に通う10名弱の高校生たち。驚いたのが、みんなが島生まれ、島育ちではなく、「地域みらい留学365」という制度を使って日本国内から留学中の生徒さんも複数名いたこと。私が高校生のころは、こんなわくわくする制度はなかったのでうらやましい!!

私の生き方について

この企画でお話しするにあたって、大野さんからもらっていたリクエストがこちら。

悩んでいる姿とかの方がいいんです!
すごいところがある人でも当たり前のように悩んでいて、くよくよしていて、それでも挑戦していて。そういうのが人生なんだよってことを語り合う場です。笑

なので、自己紹介noteでは書けなかった、思春期の恋愛、進路の悩み、友達とのわだかまりなどを可能な限りお話ししようと決めていました。

そうして始まったセミナー。「突然ですが、みなさんの中でWixっていう言葉を聞いたことある人はいますか?」って聞いてみたんです。いやー、いるはずないよなーと思いながら。そしたらなんと、「僕、Wixでウェブサイト作ってます!」って挙手してくれた子が!まさかの出来事に、テンション爆上がり!!

約30分間のプレゼンテーションで私がお話ししたのは、①Wixについて、②人生グラフ、③中学〜今までの出来事別の思いや葛藤、④みなさんに伝えたいこと、という4つのトピック。その中で、アメリカ(アリゾナ州)、バングラデシュ、イスラエルという国々についても写真付きで紹介しました!

画像1

※私が初めてイスラエル出張したときに撮影した写真たち

そして後半はQ&Aタイム。

マーケティングって何するんですか?バングラデシュと日本の一番の違いは?これから行ってみたい場所はどこですか?高校生のうちにやっておいた方が良いことはありますか?今後はどう生きていきたいですか?などなど...

聞かれてみると「うーん」と考え込んでしまうような深い質問もあって、私自身すごく良い機会になりました!

やりたいことはなきゃいけないのか?

セミナー後半、「みなさんは今後何をしていきたいですか?」と逆質問。いろんな農作物を作りたい、野球に関わる仕事がしたい、海外と日本の違いをまとめた地図を作りたい、などなど個性豊かな回答が出た一方で、ある生徒さんからこんなコメントが。

「私はやりたいことがないんです。もうすぐ志望校も決めなきゃいけないし、親からのプレッシャーもあって...好きなこともないので、どうしたらいいか悩んでます。」

そのとき、「あーやりたいことがある前提で質問しちゃって、失敗したなー」と思ったんですよね。高校生になって、突然「進路を決めなさい」「将来何になりたいか考えなさい」と言われたって、明確な答えが出てくる子は少ないと思うんです。いや、高校生だけじゃなく、大人になったってそうですよね。

そこで私が伝えたのは、「やりたいことが全くないなら、絶対にやりたくないことを書き出してみるといいよ」というもの。これは私自身、過去行き詰まったときにやってみて効果のあった方法です。

いまの世の中、「好きなことで生きていく」っていうコピーで溢れている。それは好きなことがある人には心地のよい言葉だけど、そうじゃない人にはプレッシャーになっているのかもしれない。

「好きなことが見つからない」っていうのはおかしいことじゃない。でも、もしそれで悩んでいる人がいたら、まずは「嫌いなこと」を認識することから始めてみてほしい。「嫌い」が色濃くなればなるほど、「好き」が浮き彫りになってくるはずだから。そして「好き」の片鱗が見つかったら、ゆっくり育てていこう。大人になって、好きだったものが変わっても大丈夫。それはいたって普通のことだから。変化を楽しみ、人生を楽しもう。

おわりに

今回、大野さんとの偶然の再会でこのような機会をいただいて、すごく楽しかったです!セミナーが終わったのは21時過ぎだったのですが、「めちゃくちゃ刺激を受けた高校生たちが、居残りトークしてました!」と伺って、本当によかったな〜と心から思いました。大野さんからこんなメンションまでしてもらってありがたや...

私の経験を話すことで誰かの背中が押せるなら、これほど嬉しいことはありません。今後も機会があればどんどん協力していきたいと思います。もし学校関係者の方々でそうしたリクエストがありましたら、TwitterのDMやコメント欄などでお気軽にお知らせください!

最後に、全国から続々と生徒が集まってくる...と話題の島根県の「教育魅力化プロジェクト」について、ご興味ある方はこちらの記事をぜひ読んでみてくださいね。

大野さん、島根県立隠岐島前高等学校のみなさん、改めてありがとうございました!!

画像2

※写真掲載はOKだったのですが、やはり未成年なので顔は隠しておきました!