ジオ旅ならぬエモ旅のはじまり 【島根県・隠岐諸島_2022 #01】
「geo(ジオ):地球・土地」
アスファルトやビルに囲まれた毎日を東京で過ごしていると、自分は「大地」の上で今日も生きているという、地球と自分は繋がっているという意識をどうも感じにくい。
今年(2022年)の初め、まだ厳しい寒さの残る2月末に島根県・隠岐諸島を訪れた。
東京から飛行機を乗り継ぐこと約2時間、日本海に ぽつん と浮かぶ隠岐諸島。
島全体が国立公園でユネスコ世界ジオパークに認定されている隠岐諸島は、今日でも希少で独特な自然や生態系が残る日本でも数少ない島のひとつ。
訪れるまで壱岐島(長崎県)と何度も勘違いするほど(失礼すぎる)、隠岐島知識ゼロだった私が、すっかり虜になった隠岐島。2泊3日の短い旅で見たこと感じたことを、ちょっとずつ綴ってみようと思う。
たった8人の乗客を乗せた、小さな小さな飛行機が離陸した。
「お好きなだけ、取ってくださいね」
機上で配られるキャンディ……どれを取ろうか悩んでいたら、やさしいひと声を乗務員さんがかけてくれた。
うっかりそんな言葉に甘えたら、もういい大人なのに、私は3つもキャンディを握ってしまった。
なんだか、くすぐったくなるようなうれしさだった。
アットホームな雰囲気に包まれる中、私たちを乗せた飛行機は1時間程で隠岐島へ。
高度を落として着陸態勢に入ると、小さな小さな飛行機の窓から島の全容がじっくりと見えてくる。その様子は、まるで映画のワンシーンに自分が溶け込んだような、そんな気分にさせてくれるほど美しく、思わずシャッターをアホになる程きった(テーマソングはジュラシックパークのメインテーマでお願いします🦖)。
空港に降り立った私たちを待っていたのは、前日に降った真っ白な雪景色。ピュンと吹く厳しく冷たい風が、なぜか透き通った香りがして、心地よかったのを覚えている。
隠岐諸島の玄関口「隠岐世界ジオパーク空港」は、立派な名前を掲げているけれどこじんまりとしていて、おしゃまなどこか憎めない空港だった。
空港から車で15分ほど。海の玄関口「西郷港」をのんびり散策。どこかノスタルジックで、変わらない景色が残る小さな港町。
すれ違う下校中の子ども達が、ガイドさんと一緒に歩く私たちに
「こんにちは!」
と声をかけてくれたのが、この町のハイライト。
この土地と町の心地よい風をちょっと浴びた1日目前半。
そこには都会では見つけられない「エモさ」がぎゅっと詰まっていた。
つづく
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