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売り上げ目当ての「舞台化展開」が嫌いだ

「改悪実写化」の波が舞台にも来てるように感じる。

漫画や小説がベースになっていて、アニメ化したことでより有名になった作品を実写映画にするとなった途端に「コスプレヒーローショー」「意味不明恋愛要素投入による改悪」など、具体例を挙げると枚挙にいとまがないが、「ゲーノー」のテンションで舞台の企画立ち上げてますね?みたいな舞台作品を最近ちらほら見かけるようになった。ドラマはまあわかりやすく、「いい感じに売れてる漫画やアニメをジャニーズタレント(他イケメン俳優と言われる芸能人)を使って『正しい形』に『修正』してあげたよ、オタクたちは感謝すべき」みたいなのが見え隠れてないどころかモロ見えだけど、ジャニタレのところが2.5俳優に変わっただけで同じテンションでやってるなあ!

ベースとする原作の世界観を同じくして、アニメ版舞台版などそれぞれに違う世界展開があるものはいい。媒体によって最適な見え方は異なるのは当たり前の話でどちらが正しいというわけではない。もちろん理解している。「ハリー・ポッター」の小説を自分の想像力で没入するのも、映画のゴリゴリのCGで具現化するのも、舞台で根っこは人間がやるところだけど所詮は人間の視覚をいい意味で”騙して”魔法に見せるのもどれもいい、みたいな話である。

しかし、だ。

「アニメ版」「漫画」の「舞台化」と謳いつつ、原案で「メイン主人公が女性キャラ」で「バディ的に絡むメイン男性キャラ」がいる作品が舞台版になると「舞台の主演はメインで絡む男性キャラが単独」であったり、「そこそこ登場するサブキャラで人気の男性キャラクター」や「主人公の周りを囲む男性キャラ」がいたら、その男性キャラクターも含めた「男性陣」が舞台の主役が同列、もしくは2番手3番手で男キャラが当然のように主役を張っていて、本来なら主演とされるべき女性キャラクターが「トメ」のフリして遠くに外されてたりサブキャラ扱いされてるのって、なぁぜなぁぜ?

興行的に「男性キャラクター」を演じる「男性俳優」がより良い役であること、番手が上なこと、わかりやすく「あなたが主演です!」と言ってもらうこととかが、事務所的にもファン的にも「美味しい」「キャストを持ち上げて欲しい」んだろうし、その心情自体は理解する。

だが私としては、企画進行の段階で「オリジナルがそういう人物配置で人気を博した作品である」「その構造で人気が出ている事実」「そもそも実写化の段階ですでに作られた人気にただ乗りしている」のに、公式がご都合二次創作みたいなメディア展開すること自体が作品に対しての冒涜だと思うのだけど、どうやらそういう考え方は「間違っている」扱いをされるらしい。

はっきり言えば良いのにね。

「この企画は主演・出演している若手俳優の誰それさんのお客さんをたくさん動員したいから、原作をキャストのために改変しました!ブロマイドもチケットもたくさん買ってね!」

漫画のアニメ化は昔は通年放送が多かったせいかオリジナル化することが多かったけど、最近は1クールと短いから映像化できる範囲も絞れたり、積極的に原作者が介入して「アニメ版」として成立するようになってきてるのにな、と思えていたから余計に残念。
大手の資本が入ってきて、舞台が「アニメや映画に比べると低予算でわかりやすく現金収入を得られるプロジェクト」と見なされるようになったからこそ、あー、昔の芸能の実写化テンションでモノ作ってるな、というのも見えてしまう。
これ、コロナで一旦停滞しなかったらきっともっとたくさんのこういう企画者側がいけてると思い込んでる作品が乱立してたんだろうなと思うと、むりくり強制終了の3年間は多少は役に立ってると思うのだけど、運用がクソな助成金が乱立したせいで「ビジネスになる!」と思い込んでるクソP(ノリ的には地下アイドルとかそっち系含む)も雨後の筍状態なのでウンザリしている。

真面目に作っても負けるって、そんなのあってたまるか。
クソを駆逐すべく日々仕事で努力するしかない。

私に課金していただいたぶんは私が別のエンターテイメントに課金してそれをまたネタにしますので華麗なるマネーロンダリングとなります。