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アンドロメダのリミト 7話

リミトはどんどん衰弱していきました。

最近、セイも、お母さんも、二人ともとても元気に見えます。

子供が授かったことが嬉しくて、やる気が出ているのかな?とリミトは嬉しく思いました。

優しい二人のお陰で、リミトの心は元気でいられましたが、体は痩せ細ってしまいました。


とうとう出産の日です。



痛みがリミトを襲います。

アンドロメダでは、痛みもなく、光とともに出産します。

教わっていた出産とは、全く違う、激しい痛みがリミトを襲いました。

予想外の出来事にでした。

出産をしたら、もしかしたら体が元気になるかもしれないと思っていたのです。


リミトは半日ほどもの間、苦しんだ末、
ようやく赤ちゃんを産むことができ、

その瞬間リミトは気を失いました。

しばらく眠り、

気がついて目を開けると、

セイが顔をのぞきこんでいました。

セイとお母さんは、リミトが目を覚ますと、涙を浮かべながら喜んでいます。

リミトは体を起こして、赤ちゃんを探しました。

部屋を見回します。


赤ちゃんは

死産でした。


おくるみにくるまれて、きれいな顔で眠っています。

リミトは、赤ちゃんを抱いて、声をあげて泣きました。

声を出すのは初めてのことでした、

声を出さずにはいられなくて、吐き出すように、声をあげて、泣きました。

お母さんがリミトの背中をさすります。

セイも一緒に泣いていました。


その日から3日ほど過ぎました。リミトは起き上がることもできなくなり、

眠るよう亡くなりました。

お母さんが
「すまなかったねぇすまなかったぇ」「ユキちゃんかんにんしてね」と、何度も何度もリトに謝ります。

セイも泣きながら謝ります。

死んで行く中、なぜそんなに謝るのか、私は本当に感謝しているのに。

言葉が少しわかるようになっていたリトは、

「ありがとう」と心の中で言いました。

二人には感謝の気持ちでいっぱいでした。

死は、アンドロメダでは、
次の世界への旅立ちというイメージ 。

お別れの時が来た。またいつか会おう。

という感じです。


セイと、お母さんとお別れするのがこんなにも悲しいとは思いませんでした。

涙をポロポロ流しながら、セイとお母さんを見つめながら、

またいつか会えるのを信じて、セイに手を握られながら、

リトは亡くなりました。

空高く昇り、

地球がまだ見える宇宙空間で、

リミトはそっと、思い出していました。

身寄りがない、見知らぬ星の私を、あんなに親切に受け入れてくれて、、、。セイと愛し合うことが出来て、幸せだった。

死ぬ間際の、青年とその母親の泣き顔を思い出しながら、私は幸せだった。愛されていたと、、、宇宙空間から、感謝の気持ちで地球を見つめていた。

光の玉になったリミトはしんみりと、地球の思い出をたどり、、、。

そうだ、そうだった、、、子供は、、、?よく見ると、自分のまわりに小さな光る玉がいた。

ああ、よかった、、、さあ、いっしょに行こうか、、、。

子供の魂と、行こうとした時、、、

「後悔していることはない?」

目の前に突然白くて大きなアザラシが、
どーん
と現れて、リミトに言った。

「とても悲しい。愛していたから、もっと一緒にいたかった。」

リミトが答えます。

「そう、、、。あなたは、もっと学ぶべきですよ。真実を知った方がいいです。」

「何を?」

「依頼があったのです。」

アザラシは、ニコニコしながらリミトの回りの空間をゆったり泳いでいます。

子供の光の玉が、クルクル追いかけています。

「、、、この方は、違う世界のあなたなのです。今の人生を何とかしたくて、頑張っています。」

依頼主の映像が見えました。

依頼主の女性は、

さっきまでの、リミトが生涯を終えるまでの文章を読んでいます。

読み終えて、どのように感じたか、感想をアザラシに求められて、

「リミトが愛されていたから後悔はないけど、ルカにちゃんとさよならを言いたかったな、、、」

と答えました。

リミトは、ルカの事をはっきり思い出しました。

依頼主の意識とリミトの意識が繋がり、

依頼主が読んでいた小説の内容が、そのまま、リミトに映画の早送りのように入っていきました。

そして、

依頼主の女性が、頑張って生きている姿が見えました。
自分と良く似た目元をしている。
そして、子供がいて、娘は、ルカによく似ている。雰囲気が、魂が同じ。
元気な息子はきっと、私が産んだこの子、、、

リミトはそっと、そばにいる、光の玉を近くに寄せました。光の玉はくるくると元気に動きます。

依頼主の彼女は、彼女の世界で、なかなか思うようにいかない現状を、何とかしようと、

記憶の出来事を知る作業を始めました。

あなたは、彼女の記憶の一部であり、

彼女もまた、あなたの記憶の一部です。

あなたは、今回の人生で大きな勘違いをしていますから、

本当は何があったのかを知り、学ぶことで、二人の物語は希望の光につつまれます。

まずは真実を知りましょう。
そしてそのあと、学びましょう 。

そのまま転生しても、知らない、学ばないままでは、同じ事を繰り返してしまいますから、、、。

リミトは、アザラシの言葉を聞きながら、

依頼主の女性が、泣いたり、子供たちと笑ったり、1人で頑張っている姿を見ていました。

本当は、このまま、次の世界に行きたかったのだけれど、頑張っている彼女と子供達の姿を見ていたら、

「わかったわ」と、リミトは言っていました。

「ではまず、真実を知りましょう。」アザラシが言った瞬間、

リミトと子供の光の玉は、

映像に包まれます。

周りに沢山の映像が飛び交いました。

時間が巻き戻され、リミトとルカが滝に遊びに来ていた頃の、、、

セイと母親が住んでいる、村の様子が見えてきました。

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