バングラデシュ

大好きな作家さんに触発されて

2013年に、当時の担当編集Sさんから、川内有緒さんの『バウルを探して』(注)を「絶対に読んだほうがいい!!」と紹介された。

Sさんは、当時私が書き下ろしていた『考えながら走る』(早川書房、2013)の文章テンポが悪いため、この本で勉強するようにと紹介してくれたのだが、Sさんから言われたことはすっかり忘れて、原稿も書かずに『バウルを探して』を読みふけった。

当時のブログに、「こんなに深い12日間の旅を私は知らない」と感動したことや、「著者に会いたい!!川内有緒さんに会う機会を探そう!」と書き記している。すぐに『バウルを探して』を10冊買って、周囲に配った。配り終わった後、さらに40冊買って、また配った。1人でも多くの人に、この本を読んでもらいたいと思ったのだ。そして、読んだという人と一緒に、この本の話をして盛り上がった。

そんなことをしながら(&ちゃんと本業のコンサルティングや演奏会をやりながら)、Sさんから言われた「文章のテンポ」はこの本を読んで改善されたとは思えないが、私は無事脱稿し、『考えながら走る』は出版された。

後に、川内さんは、この『バウルを探して』で第33回新田次郎文学賞を受賞された。そんなすごい方の文章から学べというSさんはすごいなぁ……。

ブルドーザー型読書スタイルな私は、『バウルを探して』以外の川内さんの著作物をすべて読もうと思ったが、当時出ていたのは、『パリでメシを食う』だけだった。その後、2014年に『パリの国連で夢を食う。』、2016年に『晴れたら空に骨まいて』が出ている。

どの本を読んでも、「あぁ、この人はすごい作家さんだなぁ」と、彼女の読ませる力と、「生きる」ことについて問う力に圧倒された。「私はテキトーにしか生きていないんじゃないか?」と、本を読みながら思った。そして、「川内さんに会いたい!!」と思う気持ちはどんどん増していった。

強く願えば叶うというけれど、川内さんに会いたいと思ってから5年が過ぎた今年9月。やっとお目にかかる機会が訪れた。

仕事が立て込んでいたため、「本当に行けるのか!?」と思いながらも、川内さんに会いたい一心で、彼女が登壇するイベントに行った。大雨だったけれど、私の心は晴れていた。

そして、川内さんがnoteを始めたというので、彼女のnoteにコメントしたい!という思いで(笑)、私もnoteを始めることにした。勢い始めることにしたが、私がnoteで書けることって何だろう!?

ForbesBeautyTechなどですでに連載を持っているし、本業のコンサルティングについては守秘義務があるので、一切かけない。それ以外は、育児しかしていないから、書くことなんてあまりない……

うーん……

悩みながら、仕事をしていたら、思いついた。

「川内さんに触発されたんだから、そうだ、大好きな本について書けばいいんだ!」

ということで、前置きがとても長くなったが、ここでは、日々読んでいる本や、会いたい作家さんについて書いていこうと思う。

とはいえ、2015年に出産してから、ブログすらほとんど書けていないから、いつまで続くのかは怪しいけれど…… 

注: 『バウルを探して』は2013年に 幻冬舎から出版された時のタイトルで、2015年に文庫化されたときに『バウルの歌を探しに』にタイトルが変更された。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?