私の育休体験記③~歓迎会の日の葛藤。ママ友へのありがとう~

3回の育休を取得した私の育休体験記。
3回目は、復帰して1年後のエピソード「印象に残っていること」。
(今から5年前。2016年のエピソードです。)


入社8年目。初めての異動。
入社前からずっとやってみたいと思っていた仕事だった。
今までやっていた営業の仕事とは全く仕事の進め方とは違う、企画・具現化の仕事。多くのプロフェッショナルが関わるプロジェクトの、意思決定をしていく仕事。
配属された部署は、会社の中では良く名前が挙がるような大御所の先輩方が沢山いて、長く続くブランドの歴史を守ってきた部署という雰囲気が漂っていた。
異動日前に行われた歓迎会でも、緊張して声が震える始末。

・・・

そんな歓迎会の日、アクシデントは起こっていた。
息子の迎えをお願いしていた夫から、直前に、「仕事が長引いて帰れなくなった」との連絡。どうしよう…。歓迎会で挨拶をすることが決まっている。
初めての異動。この会に行けないと、新しい部署に馴染めないのではないか…。せめて挨拶だけは…。

そんなことを思った私は、近所のママ友がかけてくれた言葉を思い出していた。
「お迎えとか、大変な時は言ってね!」

そうしていいものか、とても迷いながら・・・私はママ友に電話をかけていた。

ママ友はお迎えに行ってくれた。
そして、同い年の女の子のいる自宅で、上着を着て、靴を持ったまま、遊んでいる息子の写真を送ってきてくれた。

面識はあったものの、友人がお迎えに行った時、当時1歳の息子は大泣きだったそうだ。友人宅に帰るまでも。
上着を脱がず、靴も手放したくないという、やっと落ち着いたときの写真だったそうだ。

・・・

他の異動者の話も聴き、声を震わせて挨拶した後、直接関わる人に挨拶をし、私は足早に会場を去った。

一刻も早く、息子と、友人と会いたかった。
泣きたかった。

・・・

今思えば、歓迎会をキャンセルして、迎えに行くという選択肢もあって良かったと思う。
挨拶したり、関わる人達と話ができる機会は、その後にもあったと思う。
でも、当時の私には出来なかった。

・・・

友人の家のチャイムを押す。
息子を抱っこして、友人が出てくる。
友人のご主人が、息子と同級生の娘さんを抱っこしている。

私は泣いた。
息子も泣いていた。
そして、友人も泣いていた。


ごめんね。・・・そして、ありがとう。


・・・

友人が、どうやって迎えに行ってくれたか。
ご主人に娘さんを預けて、初めて行く保育園に迎えに行って、
息子には泣かれて。

そんなことを想像すると、本当に胸が痛かった。

息子も・・・不安だったと思う。


思い返すと言葉が出ない。


大切なものが増えると、こんな葛藤の繰り返し。

それからも友人とは、親子ぐるみで何度も出かけた。
同級生の子ども達の成長を喜びあう関係だった。

けれど、それ以降、お迎えをお願いすることはなかった。
夫と、何とか、夫婦で調整しようと話をして、今に至っている。


でも、同じような状況の新米ママが近所にいたら、
私の息子たちがもう少し大きくなって、自分のことを自分でできるようになったら、私も少しは助けになれることがあるかもしれない。

友人が私に言ってくれたように、
「大変なときは、お迎え行くから、言ってね!」
って、言ってあげられたら良いなと、思っている。

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