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ITエンジニア、テクノロジーと距離を置く

お久しぶりです、yukari_erbです。前回にポメラ語りのnoteを投稿してから随分と間が空いてしまいました。


 今回「ITエンジニア、テクノロジーと距離を置く」と題したマガジンのカテゴリを作成してます。

 マガジンを作った理由、投稿に間が空いた理由は――まさにここ最近のnoteにその予兆はあったわけですが――最近のネット、ひいてはテクノロジーのあり方に思うところがあり、タイトルそのまんまのことを考える時間が増えたから。


 もともと自分は子供のころからテクノロジーやネットの世界にどっぷりはまって育ってきた人間でした。

 ギーク度合いで言えば上には上がゴロゴロいる業界なので私程度の経歴でそう名乗るのもな、とは思うものの。

 年齢がヒトケタの頃からネットにどっぷり浸かり、電気街をよく放浪して手に入れたパーツでPCを修理したりアップグレードしたりし、大学もコンピュータ専攻で、今は東京のベンチャーIT系企業でエンジニアの仕事をしてるのだから、まぁ世間平均よりはかなりテクノロジーを活用してきた人間だ、と名乗っても許されるでしょう。

 そんな私にとって、【テクノロジーと距離を置く】選択は、いわばコペルニクス的大転回クラスで価値観を根底から揺るがす決断です。
 子供の頃の自分がそんな将来を知ったら「いったい自分の将来に何があった?!」と慄くレベル。

 距離を置く選択が加速したのは去年後半にポメラを購入してからですが、それ以前から――少なくとも2010年代後半に入ってから――テクノロジーやネットのあり方にモヤモヤが降り積もっていました。

 今にして言語化すれば、主に私は二つのことに引っかかっておりました。

 一つ目は、最新鋭のITテクノロジーやインターネットを使いこなすことが絶対的に正しく、それができることが優秀な人間の証明である、という世間の無言の価値観。

 二つ目は、世の中の価値はPV数やいいねこそが正義で、手っ取り早くその評価が取りやすい「短く、簡単で、刺激的な」内容でなければいけない、それが足りない長くて難しくて退屈なコンテンツは不要、という風潮。

 前者に関しては世間に対してだけでなく過去の我が身の振る舞いを振り返って反省するとこが大いにあります。

 後者は、2022年にそのせいで長年好きだった作品とキャラクター達の宣伝が大炎上する(そして短く簡単で刺激的なニュースコンテンツに曲解されてさらに消費される)という、もはや一時は創作に関わる一切合切をやめてしまおうかと思い詰めるほどの事件がありました。
 奇跡的に持ち直すような結果になりましたが、そうでなければ今頃どうなっていたことやら。

 推し活は元気が出ることもあるけど、推しがトラブったら死ぬぞ。メンタルが。



 翻ってただいま2023年、世間はAIブームです。インターネットやらスマホに匹敵する革命だそうです。すごい未来がやってくるぞって。
 IT業界の端っこにいる世間の空気は、これに乗り遅れる人間はオワコンと言わんばかりの圧力があります。

 またAIを使って一瞬で創作できるのだから人間が手間暇かけて創作する意義は、などなど。
 いやね、実際に子供のころにネットやスマホの革新を経験したのち、今になってテクノロジーとの距離感に疑問を抱いて立ち止まった人間としては思うのです。

 これ、本当に世間が言うほど「AIを取り入れて使いこなした人間が勝ち組」なのだろうか。 AIについていけない人間は果たしてオワコンだろうか。

 昔の私だったら間違いなくこの質問には即答で「YES」と答えた。
 ただ今の私にとっては、とてもそうだと言うことが出来なくなっています。


 これまでの自分の人生、なんでもかんでもネットやテクノロジーを取り入れ活用したことで、全てが良い結果におわったんだっけ?


 東京のド真ん中に通勤していて、IT活用して会社の業績を伸ばしていくぞって業界にいると、「最新テクノロジーからあえて距離を取ります」などと言おうものなら、問答無用で時代遅れの無能の烙印を押されかねない心理的圧力を感じます。

 正直、ネットのnoteの端っこでとはいえ、こういう内容を発信するのはキャリア的にリスクもありそうだなと。


 私とて完全にテクノロジーを捨てて世捨て人になるつもりはありません。
 他ならぬこのnoteだってネットの一部だし、この記事を書いているポメラちゃんだって中身は立派なコンピュータな上にGitHubへテキストデータを同期できるよう魔改造したシロモノ。
 アナログな環境とはほど遠い。


 ただ、新しいテクノロジーを取り入れ活用することが絶対的に正しいと思っていた自分の価値観を見直し。

 テクノロジーに自分の人生が振り回されるのではなく、自分自身の人生をテクノロジーを使って良くしていく、そのための適切な距離の取り方や考え方について不定期に書いていこうと思います。

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