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エンジニアイベントの行きやすさ、行きにくさ(DevFestWomenTokyo2019レポ)

10/14に行われた表題のカンファレンスに行ってきました。

会場の設計といったハード面からランチタイムの設計にトークの内容といったソフト面にいたるまで、誰もが参加しやすいよう丁寧に設計されたイベントで凄く楽しかったです。
逆にいうと世の中たくさんの勉強会が開かれているようで実際に行きやすいものはどれほど少ないのか・・・ということを改めて考え直すことになったのですが。
今回はこのイベントの良い点を紹介するとともに、他のイベントもより行きやすいものになってくれればと思ってます。

イベントの良かった点

・立地がよく広々とした会場・・・しばしばものっすごい入り組んだ奥地のビルに階段しかないようなところで行われてたりしますが、足にハンデがある方は行くの厳しそうだなと感じたりします。

・基本は着席形式(食事タイム含む)・・・オール立ちっぱなしのイベントは珍しくないですが、身体的にハンデがあると立ちっぱなしは辛いです。(私自身も起立性低血圧という立ちっぱなしだと倒れかねない病気持ちなのでここでだいぶやばい)

・託児所・・・ただでさえ子育て中は職場面でのキャリア中断の危機なのに、ましてや勉強会などのイベントにも出れないようであればなおのこと出産からの復帰が難しくなっちゃいます。

・登壇者音声の自動文字起こしシステム・・・精度はまぁまぁなんですが、聴覚にハンデがある人のみならず日本語勉強中の人にとっても役立つレベルだったのではないかと思います(というか私が英語勉強中の身で東京の英語系テックイベントに参加してるんですが、こういうところでも同じように英語字幕があると嬉しいなー)

・登壇者が全力で自分の好きなことを言えつつ他の参加者も尊重される環境・・・これは端的に説明するのが難しいのですが、ようは他のイベントだと特定の話題は話し易くても他の話題は話にくい空気感があるときがあるんですよね。例えば大半の出席者が男性の場で、ガンダムネタや二次元キャラの百合(ガールズラブ)ネタといった男性オタク向けトークが全力で行われている技術イベントってのはよーーーく見かけます。
でも、そういう人ばっかりのところで数少ない女性が例えばBL(ボーイズラブ)といった女性向けオタクネタを語れるだけの心理的安全性があるか?っていうと9割方「ムリ」って感じると思います。
またたとえ男性であったとしても皆が皆がガンダムや二次元に興味があるわけではないはずで、そういう人たちをも行き辛い空気になっているよな・・・と傍から見てて感じることがしょっちゅうありました。
その場のマジョリティは自由に好きなことを語れると思い込んでいても、実はマイノリティにとっては同じ自由がなかったりするのです。ほんとに。

一方今回のイベントだと特にちょまどさんがトークのなかで「BL(ボーイズラブ)好き!」と全力で語られてたのですが、まずそれが言えるイベントになってるってのが凄いなと思ったのが一つ。
そしてもう一つはご本人の話運びがそれはもう超絶に面白くてですね、ともすれは上記の逆パターンで内輪受けしかしない話にもなりかねないところを、BLネタをよく知らないって人でも楽しく聞けるなって感じのセッションになってたのが更に凄いなと感じました。
というかちょまどさんの話し方インパクト強すぎました。「ヲタ駆動開発!」っていうまるで選挙公約のような覚えやすいパワーワードが未だに脳内から離れない。

エンジニア向けイベントの在り方について思うこと

この業界にいると、「勉強会などのイベントにどれだけ参加しているか否か」をエンジニアの評価軸に置いている人を見る機会は少なくありません。(実際、人的ネットワークの構築など間違いなくエンジニアのキャリアに貢献するものです)
が、ここで上げた今回のイベントで良かった点とはつまり、他で一般的に行われているイベントがいかに今イベントにあまり出れていない人々にとって行き辛いのか、という話でもあります。
「イベント参加しているか」という評価軸を持っている人は勿論不当にエンジニアを実力以外の境遇で差別する意図などないでしょうか、結果としてこの軸を採用することによって実力以外の各個人的な境遇を不当にエンジニア評価へ反映させてしまうことにもなりかねません。
今回のイベントでも触れられているセッションがありましたが、このことはまさに【平等】と【公正】の違いにあたる話なのではとも感じています。

エンジニア向けのイベントのあり方、あるいはイベントに参加するという形式そのものについても新しいあり方が考えられていくといいなと改めて思ったイベントでした。

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