娘氏の下層への八つ当たりが激しい件

 娘氏は下層へのあたりが強く、自己責任論をおしつける。というのも、そうなるきっかけがあった。

 娘氏よりひとつ歳上の女の子と仲良くしていたのだけれども、娘氏は「親がキャバ嬢で同じだと思っていたから仲良くしていたけど、かぁか(私)はコラム書くためにキャバ嬢しているんだって分かったから仲良くする意味が無くなった」と話していた。

 それから数ヶ月が経った頃、その女の子が娘氏を追いかけ回し、蹴ったり、「逃げなかったら骨を折ってやったのに」などの暴言を吐いたりして、娘氏は泣きながら帰宅した。

 事情を知った私の母が相手の家になんのつもりかと聞きに行ったら、相手の両親が逆上して話にならず、警察を呼んでもどうにもならなかった。明らかに、こちらに「殺す」など罵り、あちらの父親は女の子の頭を踏みつけ、蹴り飛ばしているのにも関わらずだ。

 これは、どうにもならないなぁと思い、元夫を呼ぶと態度が激変した。なぜなら、元夫は現役ヤクザだからだ。現役ヤクザの子どもに余計なことをしてしまったと、やっと気づいたようだった。元夫は娘氏が可愛くて仕方ない。元夫はモテないし、彼女が出来ても、相手の子どもより娘氏を優先してしまう。30才のときの実子で、異性だから甘やかし放題だ。

 娘氏は、その女の子の親が下層文化圏で中途半端にグレていた事を知っていた。そして、彼らの暴力性を目の当たりにし、女の子の虚言癖に気づき、嫌悪感を示し始めた。

 最初は私と元夫へのあたりが強くなり、ただの反抗期だろうと思っていた。しかし、中学生になってから他校のヤンキーを脅かすような真似をしたり、喧嘩になりそうになったり、嫌悪感は同世代に向いていく。

 私が「社会に迷惑をかけているのは自己責任だからと言って、お前が判断するのは極めてアンパンマン的で、バイキンマンには何をしてもいいという考え方は間違っているし、貧困という文化にもっと目を向けてごらん」と話しても「うちは母親は刺青とタトゥーが入っていて、父親はヤクザだけど、私はグレないし、それなりに理由があるなら私は十分だよ。だけど、そんなことで将来をダメにしたくない。私はそう考えているし、考えられる。だから、ヤンキーにどんな事情があろうと自己責任だし、社会から排除されるべき」だと一蹴された。

 結論はだせていないのだけれども、いつか娘にも下層文化圏は再生産するし、彼らには選択肢が少ないことを理解してほしい。

 だって、なんだかんだで娘氏は、学者、政治家、作家が身近な環境で育ったのだし、沖縄の若いシングルマザーの家庭では少し特殊だと、自分で気づけるような子どもになっていただきたい。そうしたら、少しずつ社会は良くなっていくと思うから。

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