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気ままに生きてる話

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日常でふと考えたこととか、ちょっとした生き方めいた話とか。
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2024年3月の記事一覧

風のうつろい

 昨日からの雨が止み、空のうなりが収まると、肌をすべる風に一段と温もりが感じられるようになった。三寒四温などと言いながらも、実際のところは三寒一温三普通、くらいの感覚で一向に過ぎ去ろうとしなかった冬の、その名残のような冷たさもようやく融けて消えたようだ。やわらかく降り注ぐ日の光が、それまでの鈍色がかった景色に慣れていた両の目に眩しい。また陽気というのは種を問わず活力を与えるらしく、季節が違えば見向きもされない路傍の草さえもが小さく花を咲かせて、彩りを添えている。  自動車の窓

半無自覚のルーティーン

 さて日々の習慣と言われて何が思い浮かぶだろう。毎朝のラジオ体操第一もそうだし、月に一度は近くの神社で手を合わせてみたりだとか、ちょっと前に書いたトイレ掃除の話なんかも、それを定期的に行っているという点では習慣だと表せなくもない。あとは『夜寝て朝起きる』というのも、ある程度の期間それができない状態が続いた身にとっては大変ありがたい健康的習慣だと述べておきたい。当たり前と思われる行為も実は習慣のひとつではないか、という観点から言うなれば最たるものはやはり呼吸だろう、寝ても覚めて

思い出は8cm

 CDを買った。たしか音楽データをCDの形で買ったのは去年が1回、今年がすでに2回目なので、もう去年の2倍である。発売年としては新旧織り交ぜ、といってもそれらはさすがに8cmではなく、大きさとしては『よく見るタイプ』の12cmなのだけど。  なんだそれだけの話か、と思った人にばちょっとばかりお待ちいただきたい。『CDを買った』、このシンプルな文言で即座に銀色の円盤をイメージできた人は、今の段階で少なくとも『大人』ではなかろうか。いくぶん幅のある括りにはなるが、18歳の新成人が

ゆるゆるキャラメイク

 一見して『なんかヘン』な感じのキャラクターが好きだ。子供の頃に読んでいた『魔法陣グルグル』とか『うめぼしの謎』といった漫画のシュールな世界観に、多大な影響を受けたからだろう。不思議な『間』とともに展開する、じわりにじり寄ってくるようなキャラや笑いの構成をつい真似したくなってしまう。いや別に勢いのある笑いがキライなわけではないんだけど、自分のベースを成しているものはどちらかといえばシュール寄り、というか。  そういった影響もあって一時、本来は動いたり喋ったりしないものに命を

ままならないホリデイ

 やれやれまたやってしまった。3日続けて7~8時間しっかり寝ても抜けない疲れに体がダウン、わりと不本意なデジタルデトックス。これまで何度か医者にかかったものの、はっきりした原因はよくわからないままだ。けれども要因というか遠因として挙げられるのはおそらく『目の疲れ』、そこから頭、首、肩と筋肉が強張って痛むものだからヒドいときにはほぼ寝て起きることしかできなくなる。だって趣味のほとんど、娯楽のほとんどは目から情報を得て楽しむものなんだもん。ただでさえへろへろの状態だのに、さらに疲

なるべくエッセイスト

 noteを再開してからというもの、日々こうしてエッセイ『的』なものを書いている。はっきりきっぱり『エッセイ』と言わずにあくまで『エッセイ的』と表現するのは、エッセイ、つまり随筆というものを、深く勉強したことがないからだ。基本となる形式、作法、あるいは技術といったもの、要は『これがエッセイを真にエッセイたらしめるモノである!』みたいな確たるモノがないままに、最初から最後まで気の向くままに書き連ねている。  それほど勉強したことがない、というのも考えてみれば当然で、もともとは

袖すり合うも多生のエンジョイ

 4年が過ぎた。最初にnoteに登録した日から、現在に至るまでの期間だ。最初こそ意気込んで始めたものの、やはり数字がついてこないのはつらい。それが全てではないと分かっていてもだ。何とかかんとか毎日続けていたものがだんだん途切れるようになり、一週間空き一か月空き、やがて数カ月に一度の更新になっていく。毎日それなりに忙しいし、そうそうブログ的な作業を進める余力もないよね、なんて言いながら。最初は確かに夢も目標もあったはずだのに。  私はたまたま拾われたおかげでどうにかこうにかちゃ

ネタ探しストーリー

 今日の朝食は麺麭であった。だから何だ、と思った方も、一度立ち止まって考えてみてほしい。国際社会で通用する人材がどうのこうので英語教育の重要性が声高に叫ばれる昨今にあって、食パンを指して『今日の朝食はbreadだよ』という人も、食パンではない丸型のパンを指して『朝食はbunだよ』という人も、ほぼいないのではないだろうか……  ……と、いった書き出しで、じゃあ『パン』とは何語でどこからきた言葉なのか、みたいなことを書き連ねていこうと思っていたのが午前中の事だ。が、結論としては

昔日のメモリー

『昔から変わらないなぁ』なんて言われたのは数日前、Xでのナオさんとのやりとりでのこと。学校の先生の話、からの流れで学生時代の思い出をほんのり呼び覚ましていたときだった。あれは私が中学生だった頃の話だからもう四半世紀以上が過ぎ去っていることになるが、はて職を転々としつつ色々やったりやらなかったり続けたり諦めたりしてきたのちにある今でもそんなに変わってないものかしら、などと考えてみていた。自分だとわりと分かりにくい……というか、あんまり自覚がない。  中学校生活が始まった最初の

春眠スリーピング

 起きたら夜が明けている。いや朝なんだからそりゃそうだろうって、少なくとも1カ月くらい前まではそうでもなかったはずなのだ。季節のせいもあるといえ、まだ夜の明けきらない、仄かに暗い時間帯に目を覚ましていた、はずなのだ。  それがここのところ、どうにも起床時間がズレてきている。ムラはあるが普段より20分から30分程度遅い。目覚ましがなくても起きられるのはいい事だと思うし、遅刻になるわけでもないから実生活において支障というほどの支障はない。けれども朝の2,30分、この時間を甘く見て

今度はウルトラリラックス

 ステキに無敵(Take2)……といっても私じゃなくて、ときどきお邪魔するお店の方なんだけども。  3年前(!)に海の見える古書店として紹介したブック&カフェのお店に、久し振りに足を運んだ。だいたいひと月に一度くらいのペースで訪れるようにしていたものの、今年は年明け早々からnote再始動に躍起になっていたり新作&リメイクゲームが目白押しだったりしてなかなか行く機会を捻出できずにいたのだ。  ひとまず勤め人の私は不定休、お店の方も日数少なめ不定期営業ということで意識してタイミン