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気ままに生きてる話

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日常でふと考えたこととか、ちょっとした生き方めいた話とか。
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祭りのあと・コンテスト受賞によせて【なぜ私は書くのか】

 受賞の旨を伝えられたのは、結果発表から一週間ほど前までさかのぼる。  コメントの通り、嬉しさや喜びよりも先に安堵の方が大きかったのは事実だ。全力を尽くし、持てる技の全てを用いて練り上げた渾身の一矢――応募作という名の得物が、もし届かなかったりしたらどうしたもんかな、とずっと考えていた。それだけに、受賞の二文字は大変ありがたいものだった。 こちらのコンテストに☟ この記事で参加していたよ☝  受け取ったメッセージには続きがあり、『受賞コメントをいただければ』とのお話があ

Armored Defender

 台風が迫っている。気象情報が更新されるたびに微妙に予想進路が変わりながらも、四国も大きな被害を受けることになりそうだ。人の手で如何ともしがたい自然現象を安全にやり過ごすためには何かしらの備えが必要である。食料や防災グッズもさることながら、もうちょっと基本的な家屋の防御機能もまた、必要なときに自在に使えるようにしておかなければならない。ということで、自室の雨戸を点検しておくことにした。大きな雨風がなければ数年はほったらかしの装備である。いざ引っ張り出したときにすぐさま効力を発

タスクの数と自分の力量

 ちょっとばかりヒド目に体調を崩して動けなくなるのはわりといつものことで……とか言いながらも葛根湯2セット分にお世話になったのはたぶん4カ月とか5カ月ぶりのことだ。生活時間をある程度見直さなきゃ、と思って実践していたが、ここのところ崩れがちになっていたから以前までの通りに身体に影響が出てしまった。スタイルが崩れた原因はシンプルで、短いものながら原稿を書いているからだ。朝の1ポストにやや遅れる形で急にやる気を出したもんだから、短期間に2つほど書き物の量を増やしちゃったことになる

梅雨明け前のパラグラフ

まえがき  急に思い立って朝の1ポストを書き始め、気がつけばひと月半が過ぎていた。当初は続くかどうかも心配だったものの、今では起きてすぐに窓の外を眺めるようになっている。  なるべく時間をかけないように心掛けているのが功を奏したのかもしれない。文字数の調整も推敲もするが、書くのはほんのひとときの間だけだ。書き物の瞬発力みたいなものが少しでも上がってくれていればと願いながら、7月上旬分をまとめておこう。 7月1日 ――昨晩からの雨は朝になっても断続的に降り続いている。雷

蛇口の吐水パイプを取り換える

 漏れ出していた。  キッチンの蛇口から。使うたびに、水が。  いやまあ、長いこと人が住んでいなかったとはいえこの家で生活して十数年、築年数だと二十年前後くらい。パイプの先には浄水器用のアタッチメントもつけたままだし、何と言うのか、蛇口と吐水パイプの継ぎ目……取り付け部分のあたりから、わりかし早い段階で少しの水漏れは、あるにはあったのだ。まだ気にするほどでもないかなー、とか思っていただけのことで。  しかしだ。ここ最近になって、ちょっとヒドくなり始めた。そりゃもうしっかり気

夏の味わいに対する準備と心構え

 休日のランチをどうしたものか、というのは以前から変わらず存在し続ける悩みで、今日もまた何をどこで食べようか決めかねていた。何でもいいかなと思いながらもあんまり粗末なものは避けたいし、だからといって昼食だけのために買い物に行って帰ってくるのも面倒なことこの上ない。迷い悩んだ末、ときどき利用する隣の市のあのお店に行くことにした。前回がGWだったからわりと久々だ。別にリベンジとかそういうサツバツとした意識があるわけでもなく気が向けばたまに利用するし、何よりこの季節にはこの季節にし

『何かしらの世界1位』

 さて2024年7月12日に『40周年キャンペーン』が終了し、7月15日に41周年を迎えたファミリーコンピュータ――『ファミコン』。熱気冷めやらぬまま同じ週の木曜日(一般的なゲームのリリース曜日)には 『Nintendo World Championships ファミコン世界大会』  が発売された。往年の名作ゲームのワンシーンを実際にプレイして、目標達成までのタイムを競おうというソフトだ。ごくシンプルなものから少し時間のかかるものまで、150種類以上の競技が用意されている

曇り空のパラグラフ

前書  旧Twitterの頃からXを使い続けて、もうそこそこ長い。しかし先日、ふと気がついてしまった。文章家でありながらそれらしいことをほとんどまったくつぶやいていない事実に。これはいけない、せっかくのツールだのに。  そういうわけで、せめて朝の挨拶だけでも何か気の利いたものを書こう、と思い立って、毎朝窓の外を眺める習慣がついた。こんな感じ。  早いものでもう数日もすればひと月になる。せっかく考えたものであるし、言葉の意味を間違えて使っていないか調べたりもするので多少は

悩みナッシング

 似たような境遇の誰かに刺さる文章を、と言われても、おおむね似たような環境から発信したいと思っている人はたくさんいるだろうし、何度かお話ししているように特異なのが明らかな珍しい過去や経歴もない。自分で体験している途中であれば紛れもない不幸、けれども過ぎ去ってしまえば『よくあるパターンの』ものでしかない。あのとき物凄く辛かった、けど立ち直りました、貴方もがんばれ、なんて他人に説教できるほどの経験はしていないと思っている。  無気力ニートで1年くらいムダにしたのも預金残高が4ケタ

僕らはいつも吾唯足知

 さて前回は全然やる気が出なかったから今日はスイッチを入れるとしよう。カチッとな。ハイ終わり。昨日のことは昨日のこと、切り替えは素早い方がいい。と言いながらこのやる気スイッチとかいうやつも、動かない時はテコでも動かないから困ったものだ。そういう時は心のサビがとれるまで待つしかないのもまた歯がゆい。まあ本当に疲れている時もあるし、無理はしないでおこう、お互い。  そういえば寝て起きてnoteを開くと、こんなのをいただいた。  うれしくないことはないのだが、当該記事のスキ数は

ザ・なんにもない日

 何にもする気が起きない日だった。なんでもない日に感謝を、とかそういう雑な学びを主張するわけでもなく、ただただやる気が出ない、そんな一日だ。多少なり気分が乘っていればやるべきことはいくらでもある。しかしどうにも気乗りしない日が発生するのは如何ともしがたい。ここ数日の湿っぽい天気も、いくらか関係しているか。  読みかけの本を読み終え、中途セーブしていたゲームをクリアする。今日やったことを強いて挙げるならそのくらいだ。どちらも楽しいのには違いないが、クリエイティブかと問われれば自

ありふれた日々に花束を

 さて困ったぞ。随筆家としては日々のよしなしごとを通して悩める誰かに解決の糸口を見出してもらう、またはシンプルに楽しんでもらう、とかいうのが求められる姿ではあるのだが、残念ながら私には個性大爆発の家族などというものはない。何なら父はいないし、祖父は数年前に亡くなり、祖母は亡くなってからもうずいぶん経つ。妻も子もない。母と二人、それなりによくある普通の一世帯だ。賞を獲ったとか書籍化したとかいう人物たちを眺めてみると、過ごした環境や、何なら出生の時点で個性が雲の上まで突き抜けてい

人生の心構えは林原めぐみさんに教わった

 90年代後半くらいにリリースされた林原めぐみさんの歌を、今また聴き直している。動機はとくにない。なんとなく聴きたくなって、クルマの中で流している。  まだシングルCDが8cmだった時代の曲ばかりだ。どれも当時のアニメのオープニング&エンディングに使用されたもので、当該アニメを見た記憶とともに、少ないお小遣いを貯めて買ってたなあ、なんて思い出まで、なんとなく蘇る。ま、サブスクが普及した昨今、CDそのものを知らない人も増えつつあるけど。 昨日の私より少しでも 今日は輝いていた

体験はプライスレス……か?

 まずはこちらをご覧いただこう。  低気圧のヤツが頼みもしないのににじり寄ってくる6月の上旬、その日は朝から鈍色の雲が空を覆い、立ち並ぶ家々まで圧し潰さんとしているような、どんよりとした天気だった。湿った空気が身体に重くのしかかり、趣味も作業もほとんどやる気が起きない。雨が降っている最中より、降り出す直前までの方が陰鬱な気分になるのはまったく不思議なものだ。  このままではせっかくの休日をほぼ寝て過ごす羽目になってしまう、そればかりは避けたい……と、とりあえず検索してみた