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無職日記:5/30〜31(🎉最終回🎉)

5月30日(日)

無職、残すところ2日。
何か有意義なことをして過ごしたいと思いつつも、結局家でだらけてしまう。

とりあえずなんとか身支度をして、散歩でもしようかと家を出たものの、あまりの暑さにすぐ音をあげる。
スーパーでアイスなどを買い、そそくさと家に帰った。逃げ恥を9話まで一気見。

昼 野菜のコンソメスープ、納豆、卵かけごはん。
間食 アイス、生クリーム、コーヒー。
禁断のおやつを作って食べた。

夜 まぐろユッケ丼、おみそ汁。

楽しみだとは思いつつも、数日前から身体のどこかがずっとかたく緊張している。ひさしぶりの社会復帰。

夜、村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』読む。

ベッドの中で、aikoのあじがとレディオ(会員限定サービス)を聴く。aikoの声を聴いていると心が落ち着く。

今日こそ早く寝て明日は早く起きようと思っていたけれども、結局2時半ごろ就寝。
生活リズム、戻せずじまいでした。

***

5月31日(月)

無職最終日。

8時に起きようと思っていたけれども、やはり起きられず、9時半起床。それでもここ最近に比べるとだいぶん早い。

最終日なのでテンション上げてこと思い、とびきりかわいいブラウスをおろした。

髪の毛もていねいに巻いていい感じ。
めいっぱい着飾ったのち、11時ごろ家を出てハローワークへ。就職前日なので、今日は最終認定日。

1時間くらい待つ覚悟だったけれども、前に書類を書いておいたせいか、15分程度ですべての手続きが完了した。
通いはじめて約4ヶ月。親切な職員さんたちにお世話になり、わたしは失業手当の手続きをマスターすることができた。ワンアップの気持ちだ。

帰り、駅前の駐輪場の事務所に立ち寄る。
通勤用に定期契約しようと思ったのだけれど、今はスペースがいっぱいで、なんと16人も空き待ちをしているとのこと。市営じゃないところは値段が倍近くするし、仕方なく順番待ちに名前を書く。でも、いったいいつになったら回ってくるのやら。

いったん帰宅後、恋人とともに家を出て大阪王将に行く。
前に食べた天津飯が忘れられず、無職のしめくくりに食べることを昨日から決めていたのだった。

前回の腹12分目に懲りて、今日はごはん少なめで注文。
ふわふわの卵としょっぱい餡を口いっぱいにほおばると「これこれ〜〜!」と思わず声が漏れた。

好きな食べものランキングの10位以内に入るくらい好きになっちゃったかもしれない、大阪王将の天津飯。
食べたいときに食べたいものを食べられるのん、ほんっとうにしあわせなこと。

なんだかんだ、食べ終えた直後は腹9.5分目くらいになってしまったのだった。
今度はごはん半分にしてもらおうかしら。

じゅうぶんに休憩したのち、旧居留地のカフェでコーヒーフロートを頼み、のんびりと過ごす。外はすっかり夏のように暑い。
ひとけの少ない平日の午後。いきいきと元気な緑が外の光によく映えて、とてもきれいだった。

カフェにいるとき、駐輪場のおじさん(さっき話したのとは別の、引き継ぎ後の方)から電話。
今は80人以上の人が待っているので(さっき聞いた16人とは?)、空くのはおそらく2〜3年後になってしまうとのこと(嘘やん)。

最近新しくできた駅の反対側のほうならすぐに契約できるとのことで、いったんその駐輪場の様子を見て駅からの距離を確認したのち、そのまま契約しに行った。
その前にみどりの窓口で、明日から使う通勤定期も購入した。いよいよ始まりますねという感じ、高まる。

ふたたび帰宅。
Amazonから覚えのない荷物が届いたので何かと思ったら、なんと母からのギフト。
明日から社会復帰する娘の癒しにと送ってくれたのは、大好きな漫画の続巻と、大好きな山本ゆりさんの新刊エッセイ。さすがのチョイスすぎて脱帽。

うれしい、ありがたい、いつまでも心配をかけて申し訳ない。いや申し訳ないは必要ないのかもしれないけれど。
お礼の電話をかけると、大変なこともあると思うけど無理せず楽しんでね、と言われる。
無理をせずに楽しみたい。働くことを楽しみたい。

17時過ぎに再再度家を出て、シネ・リーブル神戸へ。
気になっていた『僕が跳びはねる理由』観る。自閉症の日本人が綴ったエッセイが原作のドキュメンタリー映画。
たった1時間半たらずの作品で、今まで知らなかった自閉症の方が見ている世界を(ほんの一部だとしても)、覗き見ることができたように思う。
もっと知りたい、知らねばと思った。彼らの生きやすい、優しい世界の一端を担いたいと思った。

帰宅後、母がくれたサチコの11巻を読み、無性に食べたくなったお好み焼きを作って食べた。
もりもり食べたかったので馬鹿でかいのを2枚焼いたら、1枚ちょっとで満腹になったので食べるのをやめる。食いしんぼうのくせに、意外と口ほどにもない胃袋が情けない。
残りの大半は恋人がたいらげ、さらに残った少しはとっておく。

朝 ヨーグルト、バタートースト、コーヒー。
昼 天津飯と餃子セット。
間食 コーヒーフロート。
夜 お好み焼き1枚とちょっと。ポテトちょっと(恋人が食べていたもの)。ペプシ。

2枚目、キムチのせ。

食後、とわ子7話を流しながら、この日記を書いている。

以下、以前インスタグラムに載せた文章なのですが、ここにも載せてみます。
無職だったこの4ヶ月半、働くことについて考えたこと。



同級生たちがりっぱに3年目のキャリアを歩み出す中、わたしは新卒の就活のときよろしく「やりがいとは」「わたしに向いてる仕事とは」「そもそも働くとは……」と迷走したり立ち止まったりしてました。
比べることに意味はないと思いつつも、情けないやら虚しいやら。けれども、時に惰性で流してしまいがちな「労働」というものに対する自分の価値観を見直せた気がして、それは良かった。

今こうして働こうと前向きに思えるのは、津村記久子さんの小説の影響によるものが大きい。
決して華やかでなくても、多くの人に影響を与えるわけではなくても、どこかのだれかの役に立てる仕事はいくらでもあるんやっていうことに気付かされた。
ジョージアのCMじゃないけど、そういう仕事の積み重ねで社会は成り立ってるんや、って、津村さんの小説を読んで、はじめて実感としてわかった気がした。ほんで自分も、そういう仕事の一端を担いたいと思いました。

雇われの身である限り、自分じゃないとだめな仕事なんかない、っていう前向きなあきらめのようなものを手に入れた感じがする。
そのタイミングで受けた会社に、ぜひすぐにでも来てほしいと言ってもらえたのがうれしくて、その場で決めました。たとえ「わたし」そのものじゃなく「わたしにできること(できそうなこと)」であったとしても、それをちゃんと求めてくれる場所で働けるのはうれしい。

「自分のちょっと得意なことがだれかの役に立つ(by はるな檸檬さん)」っていう、わたしなりの仕事観どおりの働き方ができるんじゃないかと期待している。まあわからんけど。

セミナーや啓発本じゃなくて、小説からヒントを得たっていうのも自分らしくて納得感があるし、今はとても前向きな気持ちでいる。



あと大きな変化といえば、とにかく毎日時間に余裕があるせいで気持ちにもゆとりができたのか、前よりも「人に優しくしたい」という思いが大きくなった。

というか、他人から優しくされることに意識的になった気がする。
カフェの店員さんとかお医者さんとか、ハローワークの職員さんとか、映画館のスタッフさんとか、みんな本当に親切だなあと、おそらく向こうはごく普通に接しているつもりなのだろうけども、しみじみ受け取ることが増えた。

そのぶん誰かに返せたらいいなと、今は素直にそう思う。
自分に余裕があるときはもちろん、そうじゃないときも、ちゃんと人に優しくしたい。自己満足かもしれないけれど、わたしは人に優しい人でありたい。
およそ4ヶ月前の自分が言いそうにないことで、自分でもぎょっとしているけれども。



2月1日からまる4ヶ月間。
毎日とはいかなかったけれども、大半の日々を記録した無職日記も今日でおしまい。

だれも読まんやろうと思って構成も考えず推敲もろくにせず、本当に記録のつもりで更新していた日記ですが、思いのほか(なんなら何時間もかけたエッセイよりも)たくさんの方に感想をいただき、めっちゃくちゃうれしかったです。

毒にも薬にもならんような文章を楽しんでくださった皆さん、感想を聞かせてくれた皆さん、本当にありがとうございました。まったく、無職になった甲斐があったってもんでした。

ひさしぶりの社会復帰、どきどきしますが気張らず気負わず、ベストを尽くそうと思います。
またなんかあったら、いやなんもなくてもここに書くので、そのときは読んでくれたらうれしいです。

明日からは大阪で働きます!がんばるぞー!

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