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もうふたふんばり

指導者の立場からも、オーディション番組にはまっています。私が韓国のオーディション番組にはまったのは、2020年、TBS でNiziU(ニジュー)がデビューするプロセスを追ったコーナーで、韓国にはこういう番組があると知ったのがきっかけでした。

私が今まで知っていたオーディション番組と違うのは、数か月という長い期間を設けて、その間の成長も見られる点です。つまり審査の一瞬を切り取るのではなく、アイドルを目指す子たち、講師陣、スタッフ、ファン、全部含めて、数ヶ月間、一緒にオーディションを経験するイメージです。長い年月関わるからこそ「私が育てた」ぐらい言いたくなる。ファン心理もついていますね。

もちろん、アイドル志望の若い子達の頑張りも心を打つのですが、私は教育者なので、指導側の関わり方に興味があります。これがなかなか面白いんですね。教育に携わる人は必見です。
先ほどの NiziU(ニジュー)のオーディション番組では、プロデューサーの J.Y.Park さんが若い子たちに声を掛ける時の言葉、人を伸ばす力がある言葉は話題になりましたよね。
どのようにアイドル志望の子たちの個性を引き出すのか、ポテンシャルを活かすのか、その言葉かけが注目されました。

今回私が注目しているのは、boys planet というオーディション番組です。もちろん出てくる男の子たちはみんなイケメンだし、見ていて気分も良いし、頑張ってる姿は心に響き「私も頑張ろう」などと50代のおばちゃんの心まで動かすから、人間の頑張ってる姿ってすごいなぁって思いますが、それよりも、講師陣の人たちの声のかけ方などがとても参考になります。
言葉って本当に大事。特に育てる側の人間が声をかける時は、徳のある言葉が心に響きます。

さらに、育てられるアイドル側にも、リーダーシップを発揮する子達がいて、その子達がどのように他の子たちに接してるのかというところも、とても勉強になります。教育に携わる人は必見です。
前回の姉妹番組 girls planet では、キム・ダヨンちゃんのリーダーシップが話題になりました。強いリーダーシップでガンガン引っ張っていくというより、みんなを巻き込んで一緒に成長していくタイプのリーダーです。自分がキリングパート(簡単に言うと目立つパート)に選ばれても、全員が目立つ構成を考えたり、一番遅れている子につきっきりで教えたりする行動で、メンバー全員の信頼を勝ち得ていく姿は、ほんとに、素晴らしかったです。

今回の boys planet では、 パク・ハンビンという子のスパルタ練習方法に注目しています。なんや、今まで話して来た理想のリーダー像と違うやん(笑) と思うかもしれませんが、ちょっと聞いてください。というのも、彼のグループは「結果」を出すんですね。この事実が示すことは大きい。この番組は、オーディション番組、視聴者の投票で生き残っていくかどうか決まるんですが、1回目の生存者発表式では、93人から52人が生き残ったんです。で、彼のグループは全員通過しました。また、2回目に組んだ彼のグループでは、中間発表でミスを連発してしまう場面もありましたが、彼のスパルタ方式の練習で当日まで練習を積み上げ、みごと部門で1位になり、彼自身もグループ内では1位になりました。
グループ内個人1位を発表する時に、本人が一番驚いていたところを見ると、自分が1位になるという自覚はなかったようです。とにかくチームのことだけを考えていたということがうかがい知れます。
またいまどき、このスパルタについていく人がいるってことは、彼が信頼されている証なんですね。教育に携わる人は必見です。

彼の口癖は、もう少し頑張ろうというシーンでの「あと2回!」です。
「あと2回」ってすごくないですか?
普通は「あと1回」ですよね。そこで、あともう2回頑張るっていうことは、普通の人の2倍やるって事ですよ。それは実力つきますよね!
改めて言葉のマジックに驚きました。あと2回と言われた人は「ひぇ……」っていう顔をするんですけど、やるんですね。そうやってあと2回、あと2回って続けていったら、他のグループと、練習量に2倍差が開くわけです。当然結果につながります。

私も自分で筋トレする時や、ギターの練習をする時に、この魔法の言葉「あと2回」を言ってみようと思いました。まずは自分に。そして信頼のおける仲間に。

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