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見守りカメラの罠

先週、立て続けに認知症の父が転んでいたり、ベッドから落ちていたりした。「~していたり」と変な表現をしたのは、その瞬間は誰も見ていないからだ。見ていないから原因が分からない。原因が分からないから対策が立てられない。そこで、後回しになっていた見守りカメラの設置を済ませた。

ちなみに、このように部屋にカメラを付ける場合は、ヘルパーさんのプライバシー保護のために、ケアマネさんを始め、家に出入りするすべてのヘルパーさんにカメラの位置を伝えるきまりになっている。母は最初から了承済み。見守ってくれていたら安心とのこと。

これで遠く離れた場所からでも、両親の様子が良く見えるようになった。

ところがだ。思わぬ罠があった。私が、両親の様子が気になって仕方がないということだ。カメラの映像はスマホで見られる。カメラを設置した初日、私は実家にいたのだけど、それまでは、何か物音がすると両親の寝室を覗きに行っていた。私の寝泊まりしている部屋と両親の寝室は一番離れているので、冷たい廊下を歩いていくとすっかり眠気もさめてしまう。何事もなく安心してベッドに入っても、寝られないのだ。それが、布団の中からスマホで見られるようになったので、わざわざ行かなくて済むから、最初、私は、自分が楽になるのだと思っていた。

ところがだ。2時間おきぐらいに目が覚め、イヤな予感がしてスマホでチェックし、何事もないことを確認し、また眠る。これを朝まで延々と繰り返してしまった。
朝6時に見た時は、父がふとんをはいでいたので、かけ直しに行った。そっとかけたつもりだったが、父が「なんだ?」と聞いたので「お布団がかかってないんだよ」と伝えたら「そのためにわざわざ来たのか?」と。「起こしてごめんね」と言ったら寝てしまった。それよりも、その気配に、腰の悪い母がビクッと起きてしまった。驚かせてしまったようだ。申し訳ないことをした。あとで、母に聞いたら、父がふとんをはいでいるのは知っていたと。
「暑いのかな」だって。
もう、一人でなにやってんだか(笑)

このことを介護の先輩である友人に相談したら、自分の時にも似たようなことがあったとのこと。そして、介護の見守りカメラとは違うが、家の外に監視カメラを付けた日からしばらくは、ご夫婦でずっと映像を見てしまったという話も聞かされて、これは見守りカメラの罠だわーと思った。

でも、そのうち、カメラの存在を忘れるくらい慣れるよ、とのことで、ちょっと安心。慣れるまでは、チェックする時間を決めるなどの工夫が良いそう。

購入したのは、このカメラ。同じIDでログインすれば、複数のスマホで共有できます。夜も赤外線で綺麗に映ります。ローカルでもクラウドでも映像は保存可能だし、録画時間も曜日ごとに決められます。スマホで写真を撮ったり録画したりもできます。ペットの見守りにもいいみたい。双方向通話もできます。それでこの価格は安いよね。


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