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飾り方でアートが台無しに

数年前、市の展覧会に手作りの「袋」の作品を出品したら、テーブルの上にくたっと置かれていて、見に行った身内から「あんな作品を出品するなんて」呼ばわりされた話を、今朝、友人から聞いた。

いやこれほんと、笑えない話で、私も展示する側に立ってみて初めて気が付いたことでもある。

私は地元で障害者週間の実行委員長をしているんだけど、例年、障害を持つ方の作品の作品展を開催している。その時の絵の展示方法で大きく印象が変わる、それどころか、アートが台無しになる例を目の当たりにしたのね。

まず下の写真を見てください。

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どこが悪いの?と思った人はちょっと注意ですよ。この写真は、主催者側の効率を大切にしたもの。管理しやすいし、貼りやすいし、剥がしやすい。面積から、1面に何枚貼れるかざっと計算もできる。でも、作品の立場、作品を鑑賞する人の立場に立っていない。

主に、学校関係者、役所、会社員勤めの人なんかが掲示すると、このタイプになりやすい。個人統計ではw

同じ展覧会のとなりのブースの写真も見てほしい。

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明らかに印象が違う。見る人が多様性を感じる。展示会の印象まで変わる。

縦長の作品、横長の作品、大きなもの、小さなもの、織り交ぜてある。額縁に入った作品も出品されていたので、上から道具を使ってつるしたり、飾り台に置いたものもある。このような小道具は、だいたい展示会場には準備してあるからどんどん使えばいいんだよね。

冒頭の友人も、今年またもや「袋」の作品を出品したのだが、今度は、中に詰め物をし、ふくらませ、そのまま展示しても良い状態にして持って行ったそう。

展示する側は「時間がない」「センスがない」と言い訳できるが、その2つだって、諦めなければ、展示する機会に得られる絶好のチャンスだ。何かを学ぶ機会は学び舎だけに用意されたものではない。「そうか、こうすれば、縦横並べなくても、短時間でも飾れるのか」というアイディアも出てくるだろう。センスについては、センスのある人から学んだ方がいい。かくいう私もセンスがない(笑)だから、うまーく飾れる人の様子を見て、真似するし、どんどん質問する。

主催者側は責任をもって、せっかくの作品が台無しにならないようにしたいものだ。
芸術の秋が始まる。市区町村主催の展示会もあるでしょう。展示する役所のみなさん、参考まで。

※この写真はSNSなどで発信OKになっていたもの。ただし、念のためお名前はぼかしています。

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