ドイツでの初めての食事の思い出
1996年だからもう30年近く前になるけれど、仕事の関係でアメリカからドイツに引っ越した。引っ越してすぐ、仕事をしていたら、夜になってしまった。
疲れたね……。ご飯、食べに行こうか。
そう言って、同僚の旦那と外へ出たが、通りは真っ暗……。
今はどうか分からないけれど、当時のドイツ、デュッセルドルフでは、夜9時には店は閉まってしまうのだった。開いているのはビアホールくらい。
バーのような店の看板が見えたので、そこに入った。
黙ってても出てくる、しかもコースターで蓋をしないと延々と注がれる(笑)ビールを一口飲むと、すきっ腹がしんどい。
「何か食べるものはありますか」って何て言うんだろう……。
仕事で来ているのに、手には『地球の歩き方~ドイツ編~』(笑)
Hast du etwas zu essen?
たどたどしいドイツ語で質問してみた。出てきたのは、こんな料理。
なんか、生肉っぽい。
何の肉か聞いてみた。
Was für ein Fleisch ist das?
これは何肉ですか?
Es ist Schweinefleisch.
豚肉だよ
生の豚肉。。。
実は、ドイツに到着して2日ほど。あまり良い印象を持っていなかった。おいしい食べ物が見つけられなかったのだ。
家の向かいにはスーパーがあったのだが、水とビールと缶詰しか売っていない。もう少し歩くと、大きなスーパーがあるのだけど、どうも青果がフレッシュでない。食文化が合わないと、旅行ではないので、本当につらい。
アメリカも結構辛かった(脂っこいし、とにかく量が多い)ので、家で自炊することが多かった。こんな感じじゃ、ドイツもつらそう。。。
そんな印象のドイツだったので、これは、からかわれていると感じちゃった。いじけて卑屈になっていたのかもね。
でも、とにかくお腹が空いてる。お腹が空いている時に、慣れない外国で生肉は食ってはいけない。頭では分かってる。
これは食べられますか?ってなんて言うのかな。。。
いや、さすがに載ってないし(笑)
そもそも失礼でしょ。
「とにかく食べてみろ」
といった表情のマスター。
この国にお世話になるんだもん、食べてみよう!と勇気を振り絞って口にしてみた。
生まれて初めて食べる生の豚肉。。。
美味しい!美味しすぎる!
あとで分かったのだけど、ドイツでは、生の豚肉を提供するのに、めっちゃ厳しい規定があるそうで、つまり、ここは優良店⁉︎(笑)
ドイツを離れて以降は食べていないけど、このお料理は、思い出の一品なのです。
ドイツのスーパーの話はもっと面白いので、またいつか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?