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2 親が過干渉をやめて、子どもが自分で決められるようにしておく

第1章を読み終えました。学校に100%委ねるのはやめて、大勢の第三の大人に育ててもらうことにしたら、今度は、完全受け身の子になってしまうのではと考えてしまう方もいるのでは? その点において一番の障壁は、実は親の過干渉です。干渉すればその分子どもの自立がおくれます。上手に手を放していく秘訣をお話しますね。

どーもー。ゆか先生です。
インターネットで文章を指導しています。
今週は7回シリーズで、Kindle出版した著書『ほんとうのにゅうがくじゅんび』の簡易版をお届けしています。小学校の入学準備として、保護者の方に是非知っていてほしい話をピックアップしてお届けします。今日は第2章「親が過干渉をやめて、子どもが自分で決められるようにしておく」です。

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学校が完璧な場所ではないことが分かっても、実際問題、子どもを学校に預ける時間は長いです。つまりその長い学校での滞在時間で、どのように過ごしているかが大切になってきます。昔から、授業中にボーっとしたり、授業についていけなかったりする子が心配されていましたが、今はある意味、学校に従順すぎる子どもも心配です。で、どうなっていたら、主体的に学校と関わり、学校に振り回されもしない子になれるかと言えば「自立」です。

子どもの自立に関わる最大のキーパーソンは「先生」ではなく「親」です。
ちょっとドキッとさせてしまいますが『毒親』という言葉をご存知ですか? 検索すると分かるのですが、本ですと、しつけや教育という名のもとに親にコントロールされてきた子どもが、大人になってから、ひずんだ人生をもたらした親に対して絶縁をするというストーリーが多いです。中には、専門的な本もあります。マルトリートメント、不適切な養育方法、例えば、子どもの前で夫婦喧嘩をする、心ない言葉をかける、そしてこれは私がもう10年も「子どもの前でスマホを見るな」と言い続けているのと同じこと、「スマホ・ネグレクト」が、実際に子どもの脳を傷つけ、学習欲の低下や非行、うつや統合失調症などの病を引き起こすことが明らかになったことを書いた、精神科医による本もあります。

『子どもの脳を傷つける親たち』友田明美(著)(NHK出版新書 523)2017年

「叱り過ぎると自己肯定感が下がる」ということはよく言われますが、そういう行為が、成長期の子どもの脳を物理的に傷つけているなんて、ショックが大きすぎます。

そこまでではなくても、過干渉が子どもに及ぼす影響も毎日の生活の中で見受けられます。例えば、学校へ提出する宿題を親がチェックして、誤りを書き直させたり、そもそも「宿題をやったのか」と聞いて、やっていなければやらせたり、そういう光景はよくあると思います。過干渉は、みなさんごく普通にしている干渉の延長線上にあります。

これは、2つの面で危険です。まず、提出前に宿題を直すと、学校側で正確な学力や達成度が分からないということです。これは指導する側から見ると、本当にもったいない行為です。例えば、子どもが作文の漢字を間違えていたので、その場で直させてそれを提出する。そのことのどこが悪いの? と思うかもしれません。が、ただの大人(笑)である親がその場で直すのと、教育のプロが、その子の誤りの癖を見つけて、ミスが起きた原因から説明して指導するのとでは、全く価値が違います。そのチャンスを失っているということなんですね。提出前にどんな点に気を付けるとミスが減るのか、そのこと自体も学べないんです。

もう一つの危険は、母親が「宿題をやったのか」どうか確認するシステムにしてしまうと、母親が声をかけるまで宿題をしない子になるということです。宿題だけではありません。「ママが言ってくれなかったから」を忘れ物の理由にする子も多いです。そういう子は、人生で起こるありとあらゆることを、母親に依存するようになります。ママが起こしてくれないから寝坊したというくらいならまだかわいいものですが、しまいには、こんな性格になったのは母親のせいだと言い出すような人になります。実話、実話。

過干渉は遺伝する

過干渉の怖いところは、世代継承される可能性があるという点です。図らずとも自分の子どもに同じことをしてしまうことが、研究からも分かっています。自分の親のひどさに気付き、関わり方を変えたり、絶縁をしたりしようと思えた人はまだ大丈夫で、そうではなく、自分が親の影響で毒親になりつつあることに気付かない人もいるわけです。親が厳しかったことを「あれは昭和の時代の教育方法だった」と正当化、美化することもできますし、「あれは親なりの愛だった」と思っている人もいるでしょう。

また、無関係に育ったみなさんも、我関せずではなく、こういう人の存在は知っておいた方が良いのです。なぜなら、ママ友の中にはこのような人が少なからずいて、親子ともどもSOSを出しているかもしれないからです。

信頼して放置!がベスト

さて、怖がらせてしまってごめんなさい。なんだか、この本、問題ばっかり提示してきっついわ~と逃げる人が出てこないうちに、解決策をズバリ書いてしまいますね。気が抜けるほど簡単で、でも難しいことです。それは子どもを信頼して放置することです。

よく、自分が出来る仕事を部下に任せない人っているじゃないですか。「私がやった方が早い」と。なんの仕事でもそうですが、経験豊富な人がやった方が早いに決まっていますよね? 慣れている人がやった方が早い。スーパーのレジですら(笑)私は急いでいる時はベテランの人がいるレジに並びます。その方が早いからです。でもどうでしょう。あまり想定できませんが、みんながベテランさんのレジしか並ばなかったり、ベテランさんが、割り込んできて「遅いわね!もういいわ!私がやるから!」と言ってその人の仕事を取り上げてしまったりしたらどうですか? 確かに会計は早く済みますよね。でも、その新人さんはいつまで経っても早くレジを打つようにはなれません。美容師やマッサージ師など、技術を伴う職も同じです。お客さんのためだからと、ベテランが何もかも取り上げてしまえば、その店はその代でおしまいです。

同じことが子育てに言えます。ここではっきり言いますが、人間の子育てとは、子どもを自分より大物にすることです。だから、子どもにはとにかくしっかりと自立した人になってもらうことが重要です。もちろん、心の発達の段階をぶっ飛ばして成長させることもリスクがありますので、その成長を待ちつつも、自分より大物になってもらうために、とにかく「信頼して放置」式がベストです。

子どもを信頼していない親が言うセリフは決まっています。「さっきお母さんが言ったでしょ?」です。「自分がやった方が早い。でも、子どもにやらせてみる。でもほら見たことか! できないじゃない!」屁理屈ですよね。同じことを、例えば姑に言われたらいやじゃないですか? 言われて嫌なことは言わない、これ、人間関係の原則です。

子どもが自分でやってみようとしている時、明らかに「あー、その方法じゃうまくいかないに決まっている!」と思っても、命の危険がない限り、まずは信頼してみてください。目を合わせてうなずけばOKです。子どもはやってみますよ。

そして、できた時褒めて、できない時はスルーです。これも鉄則です。できなかったのは、「まだ」できないだけです。そのような失敗を繰り返して、うまくいく方法を学んでいきます。人間は失敗からしか学べません。とにかく体験した方が勝ちです。つまり失敗が多い方が勝ちなんです。失敗した時は、子どもも「あちゃー」と思っています。でもその時に罰してはいけません。大人には結果が見えていても、それをひけらかして何になるのですか。もし周囲が汚れるような失敗をした時には、二人できれいにすればいいんです。この方法ではこうなってしまうんだということが分かれば万々歳です。

いかがだったでしょうか。この章では「親が過干渉をやめて、子どもが自分で決められるようにしておく」について語りました。第2章、あと1つ項目がありますが、ここから先は有料記事。次の内容です。

「親も干渉以外に心のよりどころを作ろう」

上記と同じように簡易版です。全文をしっかり読みたい人は、是非、本を読んでくださいね。この章を含め、全7章あります。

取り上げたkindle本はこちら

私の小学生コースでは、実は年長さんから教えています。オンライン保護者会もあります。どんなことをしているか、覗いてみてくださいね。

ではでは!


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