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どうしてもやりたかった企画。音楽業界に対する「これでいいんだっけ?」

11月9日より、

以下の企画がスタートしました。

「fox capture plan、最新アルバムの発売を記念してプレイリスト&楽曲レビューを公開 第1弾はおかもとえみ、鹿野 淳(MUSICA)が参加」


11人のミュージシャン・著名人が、自分なりの「DISCOVERY」をテーマに、fox capture planの楽曲を含めてプレイリストを作成。

そして、

11人の音楽評論家・ライター・業界関係者たちが、アルバムに収録されている楽曲について、1人1曲ずつレビューを執筆(アルバムは全11曲収録で、それぞれ別の楽曲を担当していただく)。

それらを、1日1プレイリスト&1レビューずつ、SNSやサイトで公開していくというものです。


本企画の表向きのテーマ・背景はこんなところ(企画書より)。

11月4日に、ニューアルバム「DISCOVERY」をリリースするfox capture plan。
本来2020年は、来年の10周年アニバーサリーイヤーに向けて大きな盛り上がりを作る予定でした。それらの一部は中止となってしまったものの、
長澤まさみ×東出昌大×小日向文世主演映画「コンフィデンスマンJP」、亀梨和也主演映画「事故物件」といったヒット映画の劇伴音楽を担当、9mm Parabellum Bulletのトリビュートアルバムに参加、Yosh(Survive Said The Prophet)やおかもとえみ(フレンズ)とのコラボ曲リリースなど、これまでfox capture planを知らなかった人たちに対しても「fox capture plan」という名前と音楽を伝えられる機会をいくつも作ることができました。
そうして近年fox capture planを知ってくれた人たちの中には、これまでインストの音楽を楽しんだことがない人たちも多くいてくださっています。実際に、「インストの音楽ってどう楽しめばいいかわからない」「手を出すのはなんかハードルが高い」といった意見も聞こえてきています。
そして今回、11曲捨て曲なし/全曲にこだわりやメンバーがやりたいことを詰め込んだアルバムを、新たにfox capture planを知ってくれた人へも届けることを考えた上で、本企画を実施することにいたしました。
丁寧に、1曲ごと、その曲の魅力や奥深さを誰かの目線で綴っていただくことで、すでにfox capture planやインストを楽しんでいる方々にはより多面的に深く味わっていただき、新しいリスナーに対しては入り口や参考となるような、そんな企画になればと願っています。


裏テーマとしては、

2つの昨今のモヤモヤに対してどうにか抗えないかと、

内心、メラメラと炎を燃やしていました。


①アルバムがリリースされても全曲聴かれない

アーティストが莫大な時間と、精神力と、自身の人生の未来をかけて制作したアルバムが、アルバムとして聴かれない。プレイリストの中でピックアップされたものや、YouTubeにミュージックビデオとして上がっているものだけが、単曲として視聴される。アルバム全部を聴く人は、超コアファンだけ。

こういった現状がずっと前からあり、

それでもアルバムの美しさがあるからとアーティストたちは作り続けるが、

しかし、単曲視聴の流れは加速していく一方。

しかも今はコロナの状況下で、思うように全国ツアーができない。つまり、アルバムの楽曲を表現してリスナーに届けられる機会が減ってしまっている。そうなると、作り手はより「アルバムを作る意味って何なんだっけ?」という負のスパイラルに陥っていく。もちろん、「意味」を求めることだけが芸術作品を作る理由や原動力ではないのだけれど。そうは言ったって、魂込めて作ったものが誰かに届いているという実感を得られない苦痛が積み重なっていくと崩れてしまう、というアーティストも少なくはない。

これは特定のアーティストの話ではなく、多くのアーティストがこういった状況にある中で、

アルバム収録曲すべてを、1曲ずつ、しっかり堪能してもらえる枠組みを作れないだろうか。まずは、どうにか全曲に触れてもらえないだろうか。そして、一度だけ再生して聴き流されるのではなく、全曲から爪痕を聴いた人の心に残す届け方ができないだろうか。

そういった想いもあって、fox capture planの今作を届ける上で、「1曲ずつ丁寧に解説をする」という手法を選ばせてもらいました。

発売前に開催した「全曲試聴・トーク配信」で、メンバーに全曲解説してもらったのも、そういう意図の前振りです。アーカイブは現在もご覧いただけます。



②音楽を言葉で伝えることにはどんな役割があるのだろうか?

今は言葉よりも、映像や写真などのビジュアルのほうが、PCやスマホの画面を通してスピーディーに刺激的にパンチ強く人々の脳味噌に届かせられる。140字以内に収まる極端な言葉が3万リツイートされることはあるけれど、世の中に存在する様々な物の見方や「黒」と「白」のあいだにあるグレーのグラデーションについて思考して丁寧に綴った長文がじっくりと読まれて3万リツイートされることは、稀だ。

そんな時代の中で、

「音楽」を伝える上では、どんな言葉を綴ればいいのだろうか。

そもそも、「音楽」を言葉で伝えることには、どんな意味があるのだろうか。

誰しもがすぐに視聴して綴って発信できる「総75億批評家時代」に、評論家やプロのライターの役割ってなんだっけ。マスメディアやオトナよりもファンダムのほうが影響力を持つ時代に、言葉を発信することを仕事にしている人たちが果たすべき役割ってなんだっけ。

「批評は死んだ」「音楽を言葉で伝えるメディアはもう売れない」

そういった意見もあるけれど、私はそうではないと信じているからこそ、

今回は、様々な立場の、様々な言葉の綴り方をしている人たち計11人にお声がけさせていただき、それぞれの手法・視点で音楽を伝える文章を書いていただきました。

1本目には、鹿野淳(MUSICA)さんの文章を公開。

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このあとは、小説家・ライターのカツセマサヒコさん、Z世代を代表する書き手・竹田ダニエルさん、音楽ライターの金子厚武さん・平賀哲雄さん・兵庫慎司さん、音楽ジャーナリストの柴那典さん等々が登場します(上記の通り、1日1本ずつ公開していきます)。

音楽を伝える・表現する言葉にはどんなものがあるのか。それをまとめて自分自身が見たかったし、みなさまに見てほしかった。きっとそこに正解/不正解はないけれど、どういった言葉が人の心にどういった影響を与えることができるのかを見たかった。あなたはどんな言葉を好むだろうか。


特設サイト/レビュー企画


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