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私はいかにして英語を身につけてきたか

10日前の投稿「英語脳と日本語脳」に、こんなことを書いた:

私は帰国子女でもないし、英語は努力して身につけてきたのだが、その甲斐あって、国連で支障なく仕事ができるくらいの英語力はある。もちろん完璧には程遠く、たまにネイティブスピーカーに英語を褒められることがあると、まだまだ下手なんだな、と反省するくらいのレベルだが。いまでは英語で話している最中に、日本語が頭をよぎることはないし、一人で考え事をしていたり、夢の中でも、英語の時と日本語の時があり、その切り替えはほぼ無意識に行っている。英語から日本語、日本語から英語、と頭の中で翻訳することはほぼ無い。

今日は私がどうやって英語を身につけてきたか、その方法をシェアしようと思う。

要点は以下の3点:1)使う機会を作る 2)モチベーションを明確にする 3)毎日少しずつ学ぶ

1)使う機会を作る

私は言語はツールだと思っている。伝えたいことがあって初めて役に立つスキルとも言える。そして使わないとあっという間に錆び付いてしまう。私はこれまで、英語の他に4カ国語(フランス語、イタリア語、ロシア語、タイ語)を先生について勉強したことがある。アラビア語も簡単な数字と挨拶くらいは覚えた。その言語を日常で使う環境にいた時はまぁまぁ話せたのだが、使わなくなったらほぼ忘れてしまった。

私は小学校低学年から母が自宅で開催していた子供英語教室で遊びながら英語を学び始めた。小学校4年生からは後述するようにラジオ英会話を聞き、小学校高学年の時にうちにアメリカ人大学生がホームステイしたことがあって、実際に英語を使う機会を得られた。さらに高校3年生の1年間、交換留学でニュージーランドの現地校に通い、ホストファミリーと暮らして英語漬けの日々を過ごしたことで、かなり話せるようになった。以前の投稿にも書いたが大学でもゼミは全て英語、卒論も英語で書いたので、英語を使う機会は多くあったし、意識して英語と日々触れ合うようにしていた。

2)モチベーションを明確にする

英語を身につけたいと思っているなら、なぜ身につけたいのか?そしてどれくらい真剣にそう思っているか?というモチベーションを明確にしよう。そして忘れないように書き留めておこう。なぜなら、言語の習得には時間がかかるので、モチベーションが高く、そして長続きするものであれば、勉強も苦にならないし、プロセスを楽しめる。私は中学校の頃から国際的なキャリアを夢見ていた。

3)毎日少しずつ学ぶ

言語は暗記が必須なので、毎日少しずつ新しい単語や文法を学び、反復練習をすることが効果的だ。私の場合は、小学校4年生から中学を卒業するまでの6年間、ラジオ英会話をほぼ毎日聞いたことが今の英語力の基盤になっている。今はどういうシステムか知らないが、当時は基礎英語、続基礎英語とレベルが分かれていて、確か月曜日から金曜日が会話で、土曜日が復習だった気がする。毎日のスキット(その日の会話)を丸暗記して、さらにノートに書き写すことを小学校4年生からかかさずに続けたことで、中学校に入る頃には英語が読めて簡単な会話はできるようになっていた。ラジオ講座は1回20分と短かったので続けやすかったし、慣れてくると20分の間にその日のスキットを暗記することができた。ラジオを聴き終わってからその日のスキットをノートに書き写して終了なので、1日30分くらいしかかからなかった。内容も身近な会話だったので楽しめたし、使っている自分を想像しやすかった。ラジオ英会話はテキストを買っても月数百円、手軽に始められるのでおすすめだ。今はスカイプで手軽に英会話の勉強もできるので、自分に合った方法を探すと良いと思う。

以前の投稿に、スタンフォード大学の教授考案の習慣の作り方について書いたのだが、それを適用すると続けやすいと思う。

方程式は B=MAP
Behavior (習慣)= Motivation(モチベーション), Ability (実行する力), Prompt (きっかけ、合図)

ラジオ英会話ないし英語の勉強を1日30分することを習慣にしたいとしよう。その場合、まずモチベーションを明確にし(例:将来海外で働きたい、東京オリンピックのボランティアになりたい、洋画を字幕なしで楽しみたい)、勉強できる環境を作り(例:ラジオ英会話のテキストを買い、ラジオアプリをダウンロードする)、すでにある習慣に英語学習時間をくっつけるように設定する(例:朝食前の30分、ないし夕食後の30分は英語学習の時間にする)。

言語習得の一番の秘訣は続けることにある。
そして続けるためのコツは、どんなに小さな一歩でも良いので語学の勉強の習慣を作ること、そして、その日のノルマを実行したら自分を褒めてあげること。

子供の頃ラジオ英会話を毎日続けられたのは、母や学校の先生に褒められたこともあるし、日々の習慣になっていたことが大きい。

国連に入ってからも英語の勉強は続き、公式文書の書き方とか、議事録の書き方、ミーティングでの発言やプレゼンなど、仕事で必要な英語の使い方を身につけた。実践的な英語の身につけ方のコツは、お手本を見つけて学ぶことだ。私は上手だな、と思った言い回しを集めてファイリングし、メールや手紙を書くときの参考にしたり、プレゼンやミーティングでの発言の仕方も周りを観察して学んだ。最初は人の真似から入り、次第に自分のスタイルができたように思う。

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