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よし、いっちょ!

今か今かと待ちわびてあっという間にこの日が来るものだろう、と2か月もある大学生の春休みを過ごしていました。
「あっという間に今年も桜が咲いたね~」なんていう声は今年はどうにも聞こえないようで、
「やっと咲いたね~」という待ちに待った桜の開花宣言でした。
桜を見る人の気持ちがよ~くわかります。指折り数えていたのですから!
ついに、この日がやって来ました。

おっと、何の話かって?
4月5日(明日)から始まる緑のふるさと協力隊。
ようやくその道が目前に迫り、一筋の光が見えてきたので、今の心境を綴ってみようという気になりました。

一筋の光と書いたのは、この2か月は生きるのに必死で毎日霧の中にいるような感じだったからなのです。
緑のふるさと協力隊として生きるためには、1年間大学を休学しなければならない。私立の大学に通わせていただいている私は、休学費としてちょっと大きな額を大学へ納めなければならないのです。
自分のことなので、休学費は自分で出します。お金の負担は一切かけませんからどうかどうか休学させてください、と休学計画書を作り宣言してしまったものですから、今年の春休みはこれまでにないほど働きました。
授業料を自分で払ったこともなければ、生活費を自分で払ったこともない。生きるのに必死な大学生もいる中で、私が今までバイトで働く理由は自分の楽しみのためでした。
お金にちょっと余裕があったら少し自分の経験になるようなことをやってみようかしら。
余裕がなくて、働く気力もなくなったら家でおとなしくしていればいいわ。
と自分の気持ちと相談しながら私は今まで働いてきました。
ですが、この2か月はそうもいかなかった。
自分の体調と相談することなく、マグロのように働き、
ちょんと触れたら涙が出てそうで(泣いてたか!)、
倒れると思えば今すぐ倒れそうで(貧血で倒れたなぁ。)
道の真ん中で寝転がってジタバタしたくなるくらい(毎晩ゴキブリ体操をしてジタバタしてたか!)
「たゆたえども沈まず」なんていう言葉がありますが、そんな言葉は私には当てはまらないくらいたゆたえて沈んでゆく、毎日ギリギリな状態でした。(自分で書いた休学計画書を何度書き直したいと思ったことか…)
人生で初めて生きるために働いてみました。

休学をしたいと両親に打ち明けた時、父が言った言葉があります。
「自分のやりたいことが出来ないくらい世の中には大変な人がいるのに、やりたいことをやってていいのか考える必要があるよ」と。
中高は音楽づくし、大学に入ってからも芸術を学び、21歳になってもなお自分の世界に入り浸っている私は、人の気持ちが本当の意味で分かっていないのだと思います。
去年の8月大阪西成区へ行っても、この春人生で初めて生きるために働いてみても、父のこの言葉に対する答えは、
うーむ、何が自分の答えなのか。唸るばかりです。
休学後、または大学を卒業する際に自分の答えが出ているかもわかりません。
人生をかけて藻掻いても、もしかしたらわからないことかもしれません。
人生に大小ある選択の中で、自分がどのように過ごすかは、誰かが決めることじゃない。自分で選んで決めていくこと。
その大きな選択というものに責任を持つのが怖いから、社会の流れに任せたり頼ったりして、何か文句があれば、人のせい、社会のせいにしていました。
休学をして、緑のふるさと協力隊になるという最初の決断は、思った以上にあっさりできてしまったものの、明日に控える協力隊生活を前にその決断が大きくのしかかっています。
自分の人生を誰かのせいではなく、自分で責任を持つことに、この選択はへっぴり腰の私に渇を入れてくれました。
自分で決断しなければ出会わなかったであろう父の言葉は、少しずつ社会を知ってゆく良いきっかけになりました。

霧の中をようやく抜け出し、明日から緑のふるさと協力隊が始まろうとしています。
今まで歩いてきた道の続きに協力隊があるのだろうと思っていましたが、いざ目の前に来ると新しく出てきた扉を開けるような気持ちです。
既製品の扉ではなくて、様々な人が関わっている素材を自分の手で拾って集めて、1から作り上げた扉。
その扉をくぐったら何が待ち受けているのか。楽しみで楽しみでしょうがないです。

ここ数日、頭の中のあらゆるところから言葉を探してみましたが、今の気持ちを言葉で言い表すのは、どうにもこうにも私の語彙力では難しかったです。
が、唯一気持ちを代弁してくれるものを見つけました。

久石譲「spring」

走り続け、過ぎゆく日常の中で
桜を前に立ち止まってみると
ほっ、と心が綻び、
清々しい風が舞い散る桜とともに体全身を包み込む

うん、こんな感じ。

よし、いっちょ、行ってきますか!
未知なる世界へ
可能性を探す旅へ
レッツゴー!

2024.04.04
豊島 裕香子

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