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より良いデザイン批評をするために

🎄この記事は2021年CAMPFIRE Advent Calendarの8日目の記事です。

はじめまして、床と申します。
2021年7月にCAMPFIREにデザイナーとして入社し、CAMPFIREのユーザビリティの向上やユーザー体験の改善に取り組んでいます。

人生初のアドベントカレンダーなので何を書こうかとても悩みましたが、
CAMPFIREに入社してから学んだことのひとつ「デザイン批評」について書こうと思います。

デザイン批評とは?

デザイン批評とは、デザインが正しく機能しているかどうか、目的を達成するものになっているかどうかを評価するために行うディスカッションのことです。

「デザインレビュー」と混同されがちですが、デザイン批評とデザインレビューでは目的が異なります。

デザインレビューは、次のフェーズに移る合意を得るためのディスカッションで、一般的にはデザインプロセスの終わり頃に行われます。一方でデザイン批評は、短いサイクルでデザインを改善する目的に行われます。設計、批評、改善を繰り返しながら、どんどん完成に近づけていくイメージです。

デザイン批評の良いところ

1. より客観的にデザインを評価できる

一人でもくもくとデザインをしていると、視野が狭くなったり、検討すべき大事なポイントを見逃してしまうことがあります。自分以外の人からフィードバックをもらうことで、より客観的にデザインを評価できます。

2. 早く完成に近づく

ディスカッションをすることで自分の頭の中を整理できたり、自分では思いつかなかったアイディアを得ることができるので、完成に近づきやすくなります。
また、完成間近のデザインレビューでデザインが目的を達成するものになっていないと判明した場合、かなり大きな手戻りが発生してしまいますが、デザインのフェーズごとにデザイン批評を行うことで手戻りも少なくなります。

3.プロダクト全体への理解が深まる

自分が携わっていないプロジェクトでも、デザイン批評に参加することで理解度が深まり、デザイナー間での共通認識を持ちやすくなります。

より良いデザイン批評をするために

CAMPFIREのデザインチームにはデザイナー同士でデザイン批評をする文化があり、入社したばかりの頃にとても感動したのを覚えています。

私もよくフィードバックをするのですが、フィードバックをした後は「的外れなことを言ってしまったのではないか…」「自分の感想を押し付けてしまったのではないか…」と落ち込んでしまいます。

ディスカッションの場をより有意義なものにするために、どのような手順でフィードバックを行い、何に気をつけるべきかをまとめてみました。

1. どんなフィードバックが求められているのかを理解する

フィードバックが欲しい場面は様々です。
例えば…

  • 自分がつくった画面が要件に合っているか、ユーザビリティに問題がないかを客観的に評価してほしい

  • A or B or Cまで案が出たけど、どれが最適か判断できない

  • 自分が何をしているのかよくわからなくなってきたから一旦整理したい(壁打ち相手になってほしい)

まずは、フィードバックを求める人が、ディスカッションが終わったときにどういう状態になりたいのかを把握することが大事だと思っています。
それによって、着目すべきポイントやフィードバックすべきことが変わってきます。
その場に参加する人全員がその場の目的(ゴール)の共通認識を持った上でディスカッションを始めると、よりスムーズにディスカッションが行えます。

2. 要件を理解する

  1. この画面(機能)を使うユーザーはどんなユーザーか

  2. この画面(機能)でユーザーが達成したいことは何か

  3. この画面(機能)で私たちが達成したいことは何か

  4. この画面(機能)をつくるにあたっての制約はあるか

これらが理解できていない状態でフィードバックをしても的外れになる可能性が高いです。
まずはこれらを理解できるまで、デザイナーに質問を繰り返します。理解できない状態でフィードバックをしないようにします。

3. 要件の優先順位を整理する

満たすべき要件が多かったり、達成すべき要件の優先順位が整理できていない時、最適解がわからなくなることがよくあります。(私がデザインで迷うときはほぼそれが原因です。)
提示されたデザインの要件がコンフリクトしていると感じた時は、要件をMust(絶対に達成したいこと)、Should(できれば達成したいこと)、Want(したいこと)にわけて優先順位をつけると、ディスカッションがしやすくなります。

4. 要件を満たす設計になっているか評価する

提示されたデザインが要件を満たす設計になっているか、ディスカッションをしながら評価します。

このときに大事なことは「ユーザーが達成したいことができているのか」を何よりも一番に考えることです。
要件にはユーザーの欲求だけではなく事業目標や制約など、様々な要件が含まれています。それらの要件を達成するようにデザイナーは頭を捻るのですが、全てを達成することが難しいこともあります。そして、全てを達成しようとした結果、気づかないうちにユーザーにとって良いものではなくなっている場合があります。
「これってユーザーにとって良いことなんだっけ?」に意識的に何度も立ち返って、デザインを評価することが大事だと思います。

また、フィードバックは個人の感想にならないように気をつけます。
提示されたデザインが要件を満たしているかどうかを客観的に評価するために、他社のプロダクトと比較したり、10ヒューリスティックに基づいて評価をします。

CAMPFIREデザインチームのデザイン批評

先ほども述べたとおり、CAMPFIREのデザインチームではデザイナー同士が頻繁にデザイン批評を行なっています。
最後に、CAMPFIREデザインチームの批評文化で特に素晴らしいなと感じたところを言わせていただきます。

👁 様々な視点から意見がもらえる
現在CAMPFIREのデザインチームには7名のデザイナーが在籍しています。それぞれ得意分野や携わっているプロジェクトが異なり、様々な視点から意見がもらえるので毎回気づきが多いです。

🧑‍🤝‍🧑 気軽にフィードバックする文化がある
毎日の朝会や、週1回のチームMTGなど、デザイナー全員が集まる機会が多いため、ディスカッションの場もつくりやすいです。
すぐにフィードバックが欲しいときはSlackやDiscordでカジュアルにディスカッションしています。

👏 良いところは積極的にほめる
良いところは積極的にほめます。ただ感想を言うのではなく「ここがこうだから良いと思う」と理由も教えてくれるので、見ている側もとても参考になります。

🎉 メンバーがディスカッションを楽しんでいる(ように見える)
これは個人的な感想ですが、みんなデザインをより良いものにしていくためのディスカッションを楽しんでいるように見えます。なので、ディスカッション中の雰囲気がとても良く、フィードバックもお願いしやすいです。
有意義なディスカッションにしようとする意識も高いので、毎回得られることが多いと感じています!

さいごに

最後までお読みいただきありがとうございました。
来年もデザインチームのみんなでたくさん悩みながら、CAMPFIREをより良いサービスにしていけるよう頑張ります!

🎅 フィードバックを受ける側の心構えについては、デザインチームのマネージャーである623さんの記事がとても参考になります!

🦌 デザイン批評に関する考えを深めたい方はこちらの本がオススメです!
みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド

🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄🎄
CAMPFIREのアドベントカレンダーはまだまだ続くよ!


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