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BTSだけを見るつもりのグラミー賞授賞式。ほかのアーティストが圧巻すぎて度肝を抜かれた件
洋楽にはあまり詳しくないのだが、
今回はアカデミー賞のためにwowowを契約したこともあり
グラミー賞にBTSが出るとのことで、グラミー賞の授賞式も観た。
BTSは惜しくも受賞を逃した、という報道を見たが
実際に見逃がし配信でグラミー賞授賞式を観ると
「惜しくも」どころか、このグラミーのノミニーズの中ではBTSは勝てないな、と思った。
言っておくが、わたしが相変わらずBTSが好きだ。
けれど、この「キョーレツな個性のカタマリ」が集まるグラミー賞という場においては、BTSはあまりにも薄い。
そうはいってもBTSはBTSで、今までで一番カッコイイ「007風」パフォーマンスを見せてくれたと思う。
この記事を書いたときは、取り急ぎBTSの登場シーンだけ見たのだが、彼らだけを取り上げれば、本当にかっこよくてクールなパフォーマンスだった。
けれどその後、あらためて冒頭からグラミー賞授賞式を観ていくと、ノミネート作品のパフォーマンスが次々と登場し、その個性に圧倒される。
そもそも顔が濃いし、歌唱力もすごいし、アートディレクションもとんでもないし、なにしろアーティスト個人の個性がとんでもなく強い。
あまり詳しくないわたしでも名前と顔は知っていた、若干20歳のビリー・アイリッシュのパフォーマンスなんて、なんでこんなことになってるの?というステージ設定。
かわいい顔なのに、むき出しの個性でパフォーマンスを展開。圧倒されてしまった。
グラミー賞自体は、司会者もメリハリがよい進行だったし、ウィル・スミス平手打ち事件が起こったアカデミー賞よりずっと楽しく見ることができた。
が、BTSが受賞できるかどうか、ということに関していえば、いままでグラミー賞を見たことがなかったわたしが今年見て思うのは、BTSがグラミー賞を受賞するのは、今後も「なんか無理そう」ということだ。
いい悪いではなく「価値観の違い」という意味で。
そもそもアメリカのミュージックシーンでは「シンクロするほど揃ったダンス」とか「歌って踊れるアイドルグループ」という需要自体がない気がした。
そもそも歌唱力がとんでもなく強いのはグラミーノミネートの標準だから、「アイドルの割にそこそこ歌が上手くて、踊りが上手い」程度ではお話にならない。
さらに、「個性のかたまり」みたいなアーティストが集まる場所だ。生肉を巻いた衣装を着ていたレディ・ガガとか、半ケツが出ているのにもう異常にかっこよくて、踊りも最高にクールで、歌唱力もダントツなビヨンセとか、そういう人が普通に出てくる場所。
ブルーノ・マーズとか、歌も上手けりゃダンスもうまくてセンスもあってオシャレ、みたいなモンスターもいるし。
久しぶりに見た、レニー・クラビッツも、全く劣化することなく、めちゃくちゃイケててしびれるパフォーマンスを見せてくれたし。
こんな個性しかない集まりに出てくると、BTSは「けっこう普通の人」に見えてしまうのだ。
もちろんグラミー賞の中でのBTSパフォーマンスは、歓迎ムードだった。司会者の「一緒に踊ろう」みたいな声掛けで、BTSのパフォーマンス中、会場内の参加者はみんな立って声援を送っていた。
けれどやっぱりその空気は「他のアーティストと肩を並べた」というよりは、「海外から来たゲスト」感があって、なかなか厳しいなぁと思った。
やっぱりアジアでは、シンクロダンスみたいな「調和」は評価されるし、歌って踊れるマルチプレイヤーは評価される。
けれど、いざグラミーに場所を変えると、歌ってグラミーを獲り、演技でアカデミー賞を獲ってしまう、ジャレット・レトみたいな怪物も登場する。圧倒的に分が悪いのだ。
数人のアーティストグループはいるけど、揃っていることやフォーメーションにフォーカスされていない。
どちらも素晴らしいから、どっちが上とかではなく、価値観の違い。
そもそも欧米人と比べてしまうと、顔の濃さや体格自体もこじんまりするけど、もともと持っている声の太さやそもそものエネルギーみたいなもんが違う。マグマみたい。
だけどそれでも、BTSがアメリカのグラミーに食い込んだことは、同じアジア人としてすごいと思うし、K-POPが本気で世界進出を狙っていることもヒシヒシと感じた。
アメリカのアイドルグループに比べたら、BTSが勝つかも。顔とかパフォーマンスとか。というくらいには来ている気がする。
BTSのファンながら、なんとなくBTSをあんまり褒められていない記事になっているが、そもそもの土台が違うし、BTSがグラミーにノミネートされたことは、アメリカチャートで食い込んだ証で、アジアが全米進出に成功したことの証として歓迎すべきことだ。
けれどその一方で、いざ受賞、ということになると、そもそもの顔ぶれが強烈すぎるのと、評価基準の違いで、実際に受賞することは難しいかな、というのが実感だ。
エンターテインメントが主要産業であるアメリカにおいては、ダンスに関してはダンスの専門分野があって、たとえばシンクロすぎるダンスは、トニー賞などミュージカル系の部門で評価されるのかもしれないし、それぞれが特化しすぎている。
だからマーケットの小さい日本のようなアジアの国だと、超ドメスティックなアイドル兼俳優、みたいなのが通用するけれど、アメリカだと全く通用しないわけで。
逆に言うと、個性のカタマリ、才能のカタマリの集結は観られるけど、シンクロダンスのような「調和」は、グラミーのような場では見られないわけで、K-POPだからこそ楽しめるパフォーマンスだ。日本にはあそこまでパフォーマンスを極めているアイドルグループはいない。
雑にまとめてしまえば「お国柄」なんだろうが、BTSのおかげで、普段見たこともなかったグラミー賞を見て、グラミーノミニーズのパフォーマンスやすごさを知ることができたし、BTSはBTSで、その良さを再確認できたので、良い機会だったなと思う。
子育てばっかりしていると、子ども向けのエンターテイメントばかり消費して、自分の好きなものから離れてしまいがちだ。息子が中学生になって、だんだん自分の好きなものにまた戻れる時間が増えてきたから、これを機に、いろんなエンターテイメントに触れていきたいなとおもう今日この頃だ。
今日もお読みくださりありがとうございました!
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