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バイロンベイ -生まれてはじめて、地球を感じた日-
シドニーワーホリ生活も終盤に差し掛かろうとした頃、
オーストラリアの国内旅行をしようと、友人と二人でバイロンベイへショートトリップに出た。
バイロンベイと言えば、ヨガが有名で、ヒッピータウンという事前情報を得ていたぐらいで、本場でヨガをやってみたいねーなんていいながら、なんとなくホステルを決め、格安航空券を片手にシドニー空港から旅立つのだった。
空港に到着するとホステルのスタッフがワゴンで迎えに来てくれていてそれに乗り込み向かうのだが、
空港を離れるにつれ、道なき道というか、整備が行き届いていないであろう道をガタガタと進んでいく。
途中通った市街地には、レゲエを連想させるグッズを取り揃えたお店がたくさんあった。
ボブマーリーの曲をよく聴く私にとってはワクワクする街並みだった。
車酔いしやすい私。もうそろそろ限界かも、なんて思っていた矢先、ホステルに到着した。
決してきれいとは言えないけれど、赤、黄、紫、白などの椅子やテーブルがバラバラと並べられたレストランが併設されていた。
日本にはない配色の仕方だな、、
ホステルはキャンプ場みたいで、よく言えばコテージ、悪く言えばコンテナみたいな建物が真ん中の広場を囲うようにポツポツと並んでいて、それぞれが部屋になっていた。
部屋の前にはハンモック。広場の近くの大きめの建物には共同のキッチンがあり、ピアノが置いてあったりして、宿泊者たちは思い思いの時を過ごしていた。
ホステルから歩いてすぐのところに、ビーチがあった。
真っ直ぐに続く大きな大きな砂浜。私たち以外、誰一人としていなかった。
一通りはしゃいだ後、砂浜に仰向けになった。
波の音以外何も聞こえなかった
海の水でじっとりと湿った砂浜が妙に心地よかった
大きな波が来たら飲み込まれてしまうかもしれない
それでも、永遠にこうしていられると、本気で思った
シドニーでは遊びに勉強、バイトと毎日毎日休みなしに動き回っていた
一年という限られたワーホリの期間を、精一杯生きようと必死になっていたのかもしれない
しかしこのバイロンベイのビーチは、不思議と安心できて、
地球に包み込まれているような感じ
そんな感覚を生まれてはじめて味わった
ヨガの聖地であり、ヒッピーの町であるバイロンベイ。
きっと不思議な「気」が取り巻く場所だったに違いない。
年月が経った今でも、あの時の背中や足をつたう濡れた砂浜の感触を鮮明に覚えている。
いつかまたバイロンベイに戻ることがあったら、私はどんなことを思うのだろうか
言葉では表しきれないあの感情を、また感じることができればいいなと思う
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