マガジンのカバー画像

140字小説集

18
140字小説を新旧問わず置いておきます
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

朝帰り(140字小説)

朝帰り(140字小説)

ヤカンがぽーっとなった。

もう終わりなのか。

美しいおなごだった。もっと骨の髄まで味わいたかった。

「またきてくださる?」
と猫撫で声。 

俺はああ、と。
 
でも次、金を工面できた頃には気にいったおなごは蜃気楼のように消えている。

ため息を出して朝に変わる空の色を見上げて急いで家路に帰った。‬