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葛藤があるから続けられる

ひるねこBOOKSで在廊しているときに、店長の小張さんと、他者への嫉妬の気持ちについて話した。

世の中にはすばらしい作品にあふれていて、見ておきたいと思う作品もまた数えきれないほどある。でも実際に目にするたびにその作品の持つ存在感に圧倒され、くらってしまう。すばらしい作品との出会いに心は喜ぶ一方で、わたしに対する問いがつきつけられるように感じる。

心は動揺し、あふれ、わたしはそれを見てあわてるのだけど、あふれてしまった感情はどんどんわたしを押し流してしまう。やがて感情が枯れたあと自分の部屋に帰ってかたく鍵をかけないと、心は穏やかにならない。

ひとと自分を比べることはずっと離れず自分の心の大きな面積を占めている。部屋にこもり一人ものを作っているのに、頭のなかはひとを想っている。一見矛盾している自分のふたつの心、その葛藤こそが作り続けるモチベーションになっているのは不思議で、業を感じざるをえない。

きっとそんなふうに、なぜかやめられないことがひとのなかにそれぞれあるのだと思う。論理的な思考を超えた、矛盾だらけの生き物だからこそ、作れるなにかが。

いつもお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、これからの作品作りに使いたいと思います。