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届かないかもしれないけど、伝える

あらかた個展の準備ができてきたら、今度はだんだん不安になってくる。猛然と走っていたときには見えなかった景色が、走るペースを落とし、歩くようになるとだんだん見えてきて、ずっとずっと遠くに自分の理想郷があることを知る。

心の芯のところにある、カチカチに凍った声が、音楽を聴くととけていくように、見えるものを通じて、そのひとの心の奥の見えない扉をノックしたい。心で感じてもらうことは何重も扉があって難しいから、自分の努力でどこまでいけるのかわからない。好きなアーティストの圧倒的なパワーを目の当たりにすると、いまの自分にできることはどんなものなんだろうと途方にくれる。

そんなことを話したら、もしかしたら、と、ことわられたあとに「人から見た自分」と「自分で考える自分」とが違う気がするよ、と言われた。

個展ではたくさんの方とお話ししたり、その場に立って感じたりしながら、これからの自分に必要なことをたぐり寄せていきたいと思う。

いつもお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、これからの作品作りに使いたいと思います。