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【フェリング・ファーマ】保険適用から2年、不妊治療中のカップルを対象に不妊症・不妊治療に関する意識調査を実施

1950年に創業し、現在スイスに本社を有するフェリング・ファーマシューティカルズ社。ペプチド・ホルモン製剤に強みを持つ研究開発型、かつ専門領域に特化したバイオ医薬品のグループで、グローバル市場で製品を展開しています。

同社は不妊症、婦人、泌尿器、消化器、内分泌、整形外科領域における革新的製品の探索発見・開発・販売に努めています。およそ50ヵ国に事業所を設け、製品は100ヵ国で販売されています。フェリング・ファーマ株式会社は、同社の日本における100%子会社として2001年に設立されました。

この度、フェリング・ファーマ株式会社は、日本の不妊治療患者カップルを対象に、「保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査<EUREKA Family 2>」を実施しました。2022年4月に不妊治療の保険適用が開始されて2年が経過することを受け、妊娠を望むカップルが不妊症の疾患認知から受診、治療までの時系列での行動、心理状況の変化(ペイシェントジャーニー)を調査し、保険適用の前後で患者さんの行動がどう変容したのか、心理的な葛藤や必要としているサポートが保険適用前後でどう変容したのかを明らかにすることを目的として実施したものです。

フェリング・ファーマは同様の調査を2022年2月にも実施しており、今回の調査は不妊治療が保険適用となって以降後、同じ質問票を用いた初めての調査となっています。

【結果要旨】
●夫婦が子供を持つという決断をしてから妊娠に至る病院へ受診するまでの総平均期間は、保険適用前(2022年2月実施)の6.4年から保険適用後(2024年1月実施)では5.9年に短縮していた。(図1)

●不妊と診断されるまで、不妊と診断されてから治療を開始するまでの期間は短縮した一方で、不妊治療後、妊娠に至った患者の平均治療期間は約1.9年から約2.5年という結果で、保険適用後において期間が延長していた。(図1)

●保険適用により不妊カップルの挙児希望の思いはより強まり、初回受診後においても積極的に治療開始に進む傾向がみられた。(図5)

●不妊治療において改善の余地があることについて「不妊治療がもたらす感情的な影響について理解すること」を上位2位までに答えた割合が保険適用前後ともに最も多いが、保険適用後は「不妊症や不妊治療が社会にもっと受け入れられること」「職場・雇用者のより良いサポート、理解が得られること」と答える割合が増加しており、より周囲からの理解やサポートが望まれている。(図8)

●保険適用前後において不妊治療患者の基礎知識に大きな違いは認められなかったが、AMH値についての問いに対する正答率は32%で、3分の1はAMHを知らなかったと回答。(図12)

今回の調査で、不妊症と診断された方が子どもを持つという決断から妊娠までの平均期間は約5.9 年と、前回調査の約6.4年から約6か月短縮されていることが分かりました。一方で、不妊治療後、 妊娠に至った患者さんの平均治療期間は保険適用前で約1.9年、保険適用後で約2.5年であり、保険適用後において期間が延長していました。

また不妊治療の保険適用が及ぼす影響としては、費用負担が大幅に改善されたと回答した人が約50%で1位でしたが、残りの半数は変化なし、あるいは大幅に悪化したという回答でした。加えて、不妊治療において改善の余地のあることは何かという質問に対しては、周囲に対して理解やサポートを望むとの回答割合が増え、治療の経済的な負担はもちろん、職場などにおける周囲の理解不足など、依然として課題の残る結果となっています。

2024 年6月からは一般不妊治療の患者さんにもAMH検査が保険適用されるようになるなど行政の対応も進んでいますが、社会全体として妊娠・出産や不妊治療について適切な知識を持つことで、不妊患者の早期受診や適切な治療が促され、不妊治療における妊娠率向上につながると考えられます。


保険適用前後における不妊患者の受診行動に関する調査 - Web定量アンケート- 
内容: 不妊治療に関する意識調査
実施方法: 自己記入式のオンラインアンケート調査
調査地域: 日本
調査対象: 臨床的に不妊と診断された20~50歳の女性(患者) 113名
パートナーが臨床的に不妊と診断された18歳以上の男性 87名
2022 年4月時点で不妊治療が終了していない方を対象とする
内訳: (1)「検討中」 不妊治療を検討している:44名
(2)「IVF*以外」 IVF(体外受精)以外の不妊治療を受けた/受けている:52名
(3)「IVF」 IVF(体外受精)を含む不妊治療を受けた/受けている:104名
*IVF:in vitro fertilization(体外受精)
調査時期: 2024年1月

1.ペイシャントジャーニーの時系列

2.不妊症と診断された後のアクション

3.不妊治療で初回の受診施設(2024年)

4.不妊治療受診検討中カップルの治療開始時期の予定

5.挙児希望(=子どもを持ちたいという願い)の割合

6.保険適用が不妊治療に及ぼす影響

7.不妊治療中に経験する負担やストレス

8.不妊治療においてより望まれること

9.アジア各国との比較(VS2022)

10.不妊症や不妊治療に関する基礎知識

11.不妊症や不妊治療に関する基礎知識

12.不妊症や不妊治療に関する基礎知識

フェリング・ファーマは、不妊治療領域のリーディングカンパニーとして、今後も妊娠・出産や 不妊症の正しい情報を発信するという強い想いを抱いています。妊娠を望むカップルや医療従事者だけではなく、広く社会に対して情報発信を行い、妊娠を望むカップルのアクセス向上や日本の生殖医療に貢献していくとのことです。

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