「ちがうよ」
ちがうよ 安錠ほとり
明日もとの時間へ帰ってゆく君は拙者を忘れるんでござろう
それたぶん拙者のドッペルでござるよ海辺で呼吸していたのなら
右斜め前に2歩左に半歩間違えて拙者のことほめて
拙者じゃなくなってもなれないものになれてんだから泣きわめけよ、なぁ
銃口を突きつけられる感覚をなんで拙者に訊いてきてんの
拙者今重力を忘れていたよ困るねえ慣れすぎちゃったかな
初出 短歌連作サークル誌『あみもの』 第三十号(2020/6/25)
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