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復職して気づいたメンテナンスとしてのカウンセリングの重要性

こんにちは。まえゆかです。

昨年の5月10日に「中度うつ病」と診断された私ですが、4月から無事に社会復帰しました。
カウンセリングには引き続き通っています。
それでも、これまでたくさん絶望もしたけれど、その時からは想像もできないくらい今は穏やかな日々を過ごせています。

紆余曲折があったからこそ、今の私があると思うので過去を振り返りながら、改めて気づいたメンテナンスとしてのカウンセリングの重要性についてお話しします。

カウンセリングなんて自分に関係ないって当時は思っていましたが、もっと身近なものになったら、悩んでいる誰かの救いになるんじゃないかなぁと思っています。

私は、うつ病の診断から1年で復職していますが、うつ病診断までの2年間を一緒に振り返ることで、当時にもたくさんのメンテナンスのチャンスがあったなと気づきました。
みんな病院に行くのは悩むと思うけれど、今の自分を思うと、軽めのうちにカウンセリング、ちょっと重たくなってきたらクリニックに相談に行けたら良かったなと思います。

自分の過去を振り返りつつ、メンタルクリニックやカウンセリングが少しでも身近になって、少しでも穏やかに過ごせる世の中になったらいいなと思っています。

診断の2年くらい前からあった兆候

兆候は診断の2年くらい前、2017年頃からあったと思います。
でも「うつかもしれない」という自覚はありませんでした。

仕事は大好きで、プライベートな時間も情報収集と称して仕事関連の本を読んだりイベントに足を運んだり。
自分の人生の95%くらいを仕事に捧げていたと思います。
それでも私はすごく楽しかったし充実感がありました。
その日常に不満はまったくなかったんです。

それでもふとした時に、「がんばれない」という気持ちが湧いてきていました。

楽しいはずなのにイマイチ気持ちが乗り切らない。
やりたいことのはずなのに手につかない。
ワクワクしてるはずなのに心が満たされない。

自分の性格的に、任されたタスクは130%くらいの出来にしたいという強いこだわりがあったので、頑張れなくても80%くらいの出来だったと思います。

だからなのか、同僚とか先輩に相談しても、あまり理解はされなかったし、緊急性があるようには捉えられなかったと思います。
それでも私は、130%の力を出したいのに出せないことに対してすごく焦っていました。

この時は本当に些細な変化だったと思いますが、「何かがおかしい」と感じていたことははっきりと覚えています。

私自身の問題として、「130%にしないといけない」という強いこだわりが結果的にメンタルを崩していく大きな要因であることは後にわかったことでした。
今はカウンセリングを通じて徐々にこの部分の考えが緩んでいっていますが、当時はこのスタンスに何の疑いも持っていなかったのです。

この段階でうつだったのかどうかはわかりません。ただ、130%の成果を出さないと自分には価値がないと思い込んでしまう認知の歪みがあったと思います。
この段階で例えばCotreeなどのカウンセリングで自分の辛さを吐き出し、客観視する時間を取れていたら、少しは楽になっていたかもしれないなと思います。

リフレッシュ失敗の年末年始

当時私が勤めていた法人は、夏季休暇がない代わりに年末年始の休暇がとても長かったんです。
2017年末の休みがとにかく楽しみで、親友にこう語ったのを覚えています。

「この長い休みで仕事から離れたら、『仕事したい』って気持ちがまた湧くかもしれない!」

この時すでに、仕事へのモチベーションの上がらなさに苦しんでいました。
好きなコトなのにやる気が出ない理由が見つからず、倦怠期のカップルのようなものかなと思って、離れることで意欲が増すと思っていたんです。

友達にあったり温泉に入ったり、それなりに楽しい時間を過ごしてリフレッシュしたと思っても、何故だか気持ちは晴れません。
当初の期待はあっさり打ち砕かれ、「もう仕事始めか…」とやる気のでないままに仕事始めを迎えました。

この時は徐々に気持ちの面での憂鬱さが出てきた時期。でもまだ仕事はできていました。やっぱり相談しやすいカウンセラーさんがいて、やる気が出ないということについて話す機会があったら、ちょっとは楽だったのかなぁと思います。この時は カウンセリング利用=病気 と思い込んでいたので、気軽に使うという考えは持っていませんでした。

上司との面談でのミスコミュニケーション

気持ちに焦りながら、それでも目の前のタスクはこなすしかない。
仕事があったからこそ走り続けられた2018年でした。
何とかなんとか細くて長い暗闇を走り続け、それでも気持ちが持たなくなって。

2018年の11月の評価面談で打開策を模索します。

ただし、この時は「うつかもしれない」という自覚がなかったんです。
やる気が出ないことは「仕事に飽きてきたのかもしれない」と思ってしまっていた自分がいます。

だからこそ、仕事の量を減らしてほしいとか、気持ちがしんどいって話ではなく「週4日勤務に変更したい」という提案をしてしまったのです。

この時に自分のメンタルの不調に気づいていれば、結果は変わっていたかもしれません。

でも、この時は勤務日数を減らすことだけが伝わってしまい、結果的に上司からは認めてはもらえず、私のやる気のなさがチームメンバーとして相応しくないことを指摘される形で終わりました。

この時も、私は仕事が大好き。
だからこそ、評価の面談がうまくいかなかったことを焦ります。
仕事を頑張らねばと変な気合いスイッチが入ったと思います。

やる気が出ない、気持ちが乗らないということは一旦無視して、目の前のタスクを全力でこなし、辛くても社内では打ち明けてはいけないと自分を追い込んでいきました。

この時は法人の制度としてなかったのですが、その後保健師面談が月に1回できるように変わりました。仕事のことでもあるし、職場の中で受けられるのであれば保健師面談などを最初に使うというのも一つの手段だろうなぁと思います。

身体の不調が現れた始めた2019年3月

無茶なやる気で仕事をこなしていた2019年2月。
社内体制で変化がありました。

その結果、私にとっては業務がプラスされる形に。
必死に反対したのは、やっぱり限界だったからなのかもしれません。

上司にとっては些細な変更であっても、私にとってはその業務をすること自体にストレスがかかってくる状況。
うつの自覚はないにしても、その時のエネルギーでギリギリの仕事量をこなしていた私にとって不安と不満しかありません。

なんとか頑張っても、仕事は片付かないしどんどんと効率が悪くなります。
イライラが募っていくのも実感し、毎日毎日「今日も片付かなかった…」という気持ちで遅くに帰宅。

3月には、疲れているのに意識は冴えて、2時3時まで寝付けないし、寝たと思ったら何かに追われる夢や息苦しさで夜中に何十回と目を覚ます日々。

4月には、通勤電車に乗ると気持ちが悪くなり、バスだと涙が出るようになり、なんとか徒歩で45分かけて職場に通うように。帰りはタクシー。
飲み会中に嘔吐したり、頭痛に襲われたり、めまいがしたり。
確実な不調が現れていても、まだ自覚がありませんでした。

令和に切り替わる長いGWでまた「やる気がわいてくるかもしれない」と思って過ごしていました。

この時点で病院に行けばよかったかもとは思います。でも、この1,2か月で何かが大きく変わったわけでもないのかな…この辺りの坂の転がるスピードはそれまでとは全く異なり、急速だったなと振り返ると思います。

「もう行きたくない」と思った令和のGW後半

GW初日は岐阜に出張に行き、その後はのんびりと過ごしたGW。
令和に切り替わって盛り上がる神社に家族でお参りに行ったりとのんびり過ごしていました。
でも、気持ちがかなり疲れていました。

10日ほどあったGWの前半はのんびり過ごして楽しんでいたものの、後半に差し掛かるとカウントダウンがスタート。


あと4日・・・あと3日・・・あと2日・・・

だんだんと気持ちが落ちていくのを実感。

最終日の5月6日はコルクラボの友人と会って楽しいイベントに参加していたものの、気持ちは翌日からの仕事が憂鬱で。

ちょうど愛用していた電波時計が何度リセットしても4時間遅れの時間を示し、「あなたも仕事をもうしたくないのね…」と感情移入。

「一度、相談に行ってもいいかもね。」

メンタルクリニックに通った経験のある友人からもアドバイスをもらって受診を前向きに考えるようになりました。

メンタルの不調に理解ある友人が身近にいたのは偶然ではありますが幸運だったと思います。
偶然ではありますが、2018年12月に職場以外の場を求めてコルクラボに入会していたことで、アドバイスしてくれる友人に出会えました。これは本当に幸運だったと思います。

限界状態の評価面談

再び半期の評価面談。既に限界値。

総務にメンタルクリニックを手配してもらって、翌週に受診予約。
この週は、翌週に担当していた事業のWEBサイト公開を予定していたので、「もう行きたくない」と思いながらも真面目に出社して仕事をしていました。
ただし、とてもパフォーマンスが悪かったことは実感。

全てが限界でした。

病院に行く予約をしたことと、このままではもう働けないということを上司に報告。
緊急性は伝わったと思うけれど、私が一番に伝えた2月にプラスされた業務の実質的な変更はかなわなかったのです。

最後の願いと思ったものが崩れた結果、気持ちはどん底に。
その後金曜日までは働いていたはずなのに、何をしていたのかはあんまり覚えていません。

当時は産業医や提携先の病院はなかったのですが、1回目の診察が無料になる制度があるらしく、病院の指定はできないけれど職場から比較的近い病院をすぐに総務は手配してくれました。メンタルクリニックは当日予約がなかなかできないので、この時は翌週に予約となりましたが、制度があるのは安心でした。

駆け込んだクリニックで中度うつ病の診断

総務が予約した受診日まで待つ間に気持ちの落ち込みは強く、知人の医師に「遊びに来ますか?」と声をかけてもらって、10日に訪問。

その場で診察に切り替わって、中度うつ病の診断となりました。

通常、その診断が出るとすぐに休職なりなんなりの休養を要するようなのですが、まだ気持ちの面では仕事をしなくちゃという責任感の方が勝っていました。

WEBサイトのオープンもあるし、6月は既に土日も含めて20連勤の予定で、月内で5回の出張も予定されていました。
変更して誰かにやってもらえる状況ではないと思って、自分の身体の状況を差し置いて、診断書に「休養を要す」と書かれては困ると、何故か必死に交渉してしまったのを覚えています。

その結果招いたのは、生きるエネルギーが枯渇するまで働き続けるという結果です。

せっかくクリニックまでたどり着いたのに、職場も中度うつ病の診断が出たときの対処法などは決まっておらず、そのまま超繁忙期をこなしてから業務制限をかける決定をしました。この辺りは、会社の体制として従業員の健康をどこまで考える姿勢があるのか、ちゃんと見極める必要があるなと思っています。

その後のこと

ちょこっとではありますがウツノオトマガジンで書いています。

診断からの1年はこんな感じ。

2019年5月 中度うつ病診断
2019年7月 業務軽減措置(残業・休日勤務原則なしのフルタイム)
2019年11月 休職
2019年12月 転院/カウンセリング開始
2020年3月 退職/フリーランス独立
2020年4月 週3社員で民間企業に転職&フリーランス

この1年もなかなか濃かったので、ここでの変化もまた書いていけたらなと思っています。

振り返って思うメンテナンスとしてのカウンセリング

2年の間に、何度もサインは出ていたと思います。
それでも、自分がそのサインを見過ごしていました。

自分がまさかうつになるとは思っていなかったし、まさかそれで病院にかかるとも思っていませんでした。

今でこそ、カウンセリングはもっと気軽に利用していいと思うし、気軽に使うからこそ悪化を未然に防げると思っています。

特にうつ診断の2年前の状態は、うつだったかどうかはわからないにしても、カウンセリングに半年ほど通って思うのはそれだけでもだいぶ負担が軽くなるということ。
病気かどうかを知ることが大事なのではなく、自分が楽になるのかどうかという点で、抱えている負担を吐き出して、リフレッシュする意味においてもカウンセリングって大事だと思うんです。

つい先日も、無自覚でしたが食欲や睡眠に乱れがあって、これまでできていたことが少しやりにくくなっている状況を、ここ半年通っているカウンセラーさんに発見していただき、「このサインを見落とさないで」と言ってもらえたことでバランスを保つことができています。

私自身は、なかなか人に相談するのが得意じゃないのと、身体がしんどくなっても仕事自体が好きなので無茶しがちであるという部分を自覚するようになったので、現在もカウンセリングに通っています。
何かあった時に利用するというよりも、月に最低1回はカウンセリングに通うように予約を入れておいて、その時に思っていることを話すという感じで利用しています。

私は普段を知っている人ほど相談しにくいタイプなので、カウンセラーさんがぴったりハマりましたが、サードプレイスになるようなコミュニティや、親友、家族など、自分の辛さや気持ちの負担感を解消できる存在があるのであれば、何でもいいと思います。

でも、持っていないのであればカウンセリングは治療のためではなくメンテナンスとして現代人にとってとても有効だなと思うんです。

もっとカウンセリングやメンタルクリニックが身近で、もっと気軽に苦しさを吐き出せるようになったら、もっと楽に生きられる人が増えるんじゃないかなと思っています。

もし今、もやもやっとした感情で苦しさを抱えているのであれば、一回お試しでも使ってみると良いのではないかなと思います。
今は、オンラインで使えるものもたくさんあります!!

カウンセラーさんとの相性も大きく影響すると思うので、必ず良いよとは言えない部分もありますが、私の個人の経験としては、今も継続してカウンセリングを活用しながら穏やかな生活を送っているよということがこの記事でお伝えしたかったこと。

自分ことを守れるのは自分だけ。
コロナの状況下でいろんな変化があって、心身に不調をきたしている人はたくさんいます。
みんながそうだから我慢しなくちゃいけないのではなくて、自分が辛いのであればメンテナンスとして使えるサービスを頼るのも一つの手段。
メンテナンスとしてのカウンセリングの重要性が、必要な人に届いたら嬉しいです。

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